パナソニック若狭事件と黙示の労働契約について(事件概要もお読みください)

パナソニック若狭事件は、偽装請負・派遣法違反・労基法違反(過労死基準を超える労働を3年以上続けている事など)・不当労働行為(団体交渉拒否など)・報復行為(労働局申告後に不当な雇用条件の選択を迫った事や不当解雇など)を行っています。

「パナソニックとの黙示の労働契約について」
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業務請負であれば、パナソニックは請負労働者に対して指揮命令をする使用者としての権限はありません。
しかし、偽装請負下では、権限なきパナソニックが請負労働者を自らの労働者と同じように指揮命令を行って使用者としての権限を行使しています。

たとえ形式的な請負契約が請負会社と労働者の間に締結されていたとしても、使用権限なきパナソニックが請負労働者を使用しているのですから、請負契約とは別個にパナソニックと請負労働者の間にも労使関係の黙示の合意があり黙示の労働契約が存在しています。

パナソニックと請負会社が偽装請負行為を目的としている場合、契約と労働実態は偽装工作されているため、表面は形式的に装われていて当然なのですから、その偽装請負が発覚する事態となった場合は黙示に合意されているパナソニックとの労使関係が本来の雇用契約だと言えます。

パナソニックとの契約が本来の契約である理由は以下でも述べます。

河本さんは2005年2月21日からパナソニック若狭で就労していましたが、派遣法違反の申告による福井労働局の調査報告(08年11月5日)で過去の契約が請負契約であった事を知ります。
この事からパナソニック若狭と日本ケイテムが共謀して偽装請負を行っていた事が発覚しました。

河本さんと日本ケイテムの間で結ばれた請負契約は、当初からパナソニック若狭と日本ケイテムが違法である事を認識したうえで偽装請負を行う目的の為に交わされた契約です。

パナソニックは労働者が労働法・契約に無知である事につけ込んで、本来パナソニックが負うべき使用者・雇用者としての責任を日本ケイテムに担わせる事で、パナソニック工場において労災・過労死が起ころうと何らパナソニックが責任を負わない無権利状態の労働者を使用する事を目的としていたのです。

一方、形式的に使用者・雇用者の責任を担わされる日本ケイテムは、本来業務請負に必要な知識・設備投資・教育訓練・指揮命令などが不要になり、単に労働者をパナソニックに送り込むだけで簡単に利益を得られます。

パナソニックは正社員よりも社会保障費用等がかからない安い労働力を使う事で利益を上げ、日本ケイテムは偽装請負の片棒を担ぐ事で労働者の賃金から中間搾取して利益を上げる事をパナソニックから容認されているわけです。

労働者に支払われる賃金は、雇用形態が請負であれ派遣であれ賃金の元はパナソニックからの資金です。

偽装請負の場合、労働者への賃金支払いは形式的に請負会社から給料の支払いが行われているかのように装われています。
その実態は、本来労働者が直接パナソニックから受け取れる賃金を日本ケイテムが預かり中間搾取して労働者に渡している構造になっているのです。

パナソニック・日本ケイテムには偽装請負を目的とした従属関係があります。

偽装請負下の労働者は、労務提供しているパナソニックに労使関係、賃金支払い関係を偽装請負行為により日本ケイテムの請負労働者であるかのように装われているだけですから、労働者とパナソニックの間に黙示に合意されている黙示の労働契約が本来の雇用契約なのです。

現実に偽装請負行為は企業間の隠蔽工作であるため、労働組合も無い非正規労働者が労働実態の立証・告発をする事は非常に困難ですから、偽装請負行為はほとんど発覚する事のない違法行為と言っても良いでしょう。

このような違法行為には、さらなる労働者保護と企業への罰則規定を強化する必要があります。

派遣法抜本改正を抜け穴のない内容にする事はもちろんですが、派遣事業・請負事業に限らず、労働者全体の権利保護を目的とした労働法制の規制強化で、違法・脱法を目的とした非人道的な労働を無くす取り組みが必要です。

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