美浜町議会一般質問 河本猛(2020・12)

 一般質問の議事録が出来ました。
1、美浜原発3号機などの原発の諸課題について
2、美浜原発3号機直下の断層について
通告していましたが、1つ目の最後まで行けずに不完全燃焼になってしまいました。

1、美浜原発3号機などの原発の諸課題について

河本↓
 日本共産党の河本猛です。
 美浜原発3号機などの原発の諸課題について質問いたします。美浜3号機の安全対策工事が完了し、原発に関係する事業者や団体など、立地地元から美浜3号機の再稼働を求める声が上がっています。
 一方で、関電や原発利益共同体の強い支配を受ける原発企業城下町という特性がありながら、表に強く出てこないけども「もう原発はやめてほしい」という切実な願いや「再稼働をやめるように求める」反対・不安の声があります。
 私は原発に反対する住民や不安を抱えている人々の代弁者の1人であるわけですが、関電は金品受領問題や美浜原発構内でコロナウイルスの感染症対策に失敗し、社会的信頼を失い、町民の期待を裏切りました。
 拡大するコロナ禍の状況によって、感染症対策は原発の管理運営に重要な位置づけとなっており、前回の質問でも「構内で3密の状態を指摘されながら、脆弱な医療体制しかない美浜町で関電が感染者やクラスターを発生させたら、地元の信頼回復まで望みようがなくなる」ということを指摘いたしました。
 町長は、「関電企業や協力会社も含め、これまで以上に実効性のある徹底した感染防止対策の下、安全最優先で工事を実施するよう求めていきたい」と答弁されていましたが、関電や協力会社ともに美浜原発構内で感染者を複数出して、大規模な調査対象者を出してしまいました。
感染者個人に責任はありませんが、関電の管理運営上の責任は厳しく問われる事態であり、社会的な信用のない関電に原発を動かす資格はありません。
 町長は、国や地元から求められる美浜3号機の再稼働について、関電の信頼回復をどのような判断基準で見極めるつもりなのか、町長の考えを伺います。

町長↓
 ただいまの関電の信頼回復をどのような判断基準で見極めるのかという御質問をいただきました。信頼回復につきましては、事象に対する謝罪と反省、要因の分析、さらにはそれに基づきます再発防止に向けた透明性のある、また誠意のある改善行動がいかに取られているか、また、町民の皆さんが、それをどう受け止めているのかなどと考えているところでございます。

河本↓
 町長は様々なところで再稼働についての意見集約、今求められているようですが、町長は原発との共生を掲げている原発推進の立場であるからこそ、感染症対策に失敗して、町民の期待を裏切った関電に対して怒りを持って対応しなければならないと思っているのですが、町長、怒っていますか。

町長↓
 御質問のとおり、感染症対策についてはこれまでより何度も徹底をお願いしてきたところでございます。今回、発生の事象が報告されたことについては、しっかり遺憾の意を伝えるとともに、再発防止、それを洗い出し、しっかり対応するように申入れをしたところでございます。

河本↓
 今ですね、怒りを表せと言ってもなかなか難しいかもしれませんけども、都合の悪いときには議会や町民に謝りもしない。美浜町でコロナが発生しているのは関電の関連だけなんですよ。町民はコロナに感染しないように細心の注意を払いながら生活しているんです。その町民の努力を台無しにする美浜原発の感染症対策の失敗ですよ。
 関電が言う「原発の運営上に支障はない」と、こういうことなので、まさにお城のお殿様みたいな傲慢ぶりじゃないですか。保健所や医療機関のおかげで、現在7人の感染者で拡大は止まりましたけれども、町長が怒りをもって、一旦事業を止めて、コロナを終息しろ!ぐらいの厳しいことを言わないと、関電は本気になって地域振興や地域共生なんて考えないと思うんですよね。町長、どう思いますか。

町長↓
 怒りを持って対策を取るように伝えろということでございます。その旨、先ほど申し上げたようにしっかりと遺憾の意を持ってこれを伝えたものでございまして、それは誠意をもって、終息、これも大事でございます。これについてもしっかり対応いただいているかなというふうに思ってございます。

河本↓
 ぜひ厳しい対応をやっていただきたいと思います。
 半世紀にわたり原発という巨大産業に頼ってきた立地自治体であるからこそ、原発利益共同体の再稼働要求は強く大きなものがあります。原発に関わる事業を営んでいる方が多いですから、そういう方々の再稼働要求自体は自然な流れであると思います。
 しかし、原発によって受益を得る人たちの要求によって、町行政や議会、まさにこの政治というものが、地元経済のために原発の再稼働を認めるとか、「事実上の地元同意」をするなんてことが、これはあまりにも非科学的で、福島第一原発事故後にできた新規制基準や規制側の審査、検査、原発を動かすために必要な法律や手続について、これは無知であることを世界に発信することになるんじゃないかと危惧しております。
 美浜町には、科学的、学術的に再稼働を判断できるような諮問機関はありません。国や県が「美浜3号機の施設について、再稼働できる状態ですよ」としっかり責任のある判断を示すまでは、美浜3号機の再稼働について、町行政や議会が「事実上の地元同意」と言われるような議論を先に進めることはできないと考えています。
 規制委員会の使用前検査には原発稼働後の検査もあるのですが、少なくとも稼働前の使用前検査に合格したという結果や、福井県原子力安全専門委員会の審査の結果が出ないうちは、「地元同意」を議論するための科学的、学術的な判断材料がありませんから、政治を司る町民の代表として、再稼働を容認するような判断はできないと私は考えているわけですが、町長はどのように考えますか。

町長↓
 ただいまの科学的な判断材料がないまま再稼働を容認と言われましたが、同意するというのはできないのではないかという御質問でございますけども、原子力発電所の運用に当たりましては、常に世界最高水準の安全を目指すことを理念とした学術性と専門性を有する原子力規制委員会が、科学的、技術的な見地から、原子炉等規制法に基づき原子炉施設の設置変更許可や工事計画認可を出しているところでございます。
 また、これまでの段階におけます使用前検査につきましては、安全に係る問題はなく、今後予定される使用前検査につきましても、引き続き厳格に実施していく、このように聞いており、これらの判断については、科学的、技術的根拠に基づくものであるというふうに私は捉えているところでございます。
 このような手続を経て、法に基づきます原子力規制委員会の使用前検査に全て合格することをもって再稼働に至るわけではございますが、立地の立場からして同意する段階では、当然それがなされることを前提にしており、要検討は(要件とは)考えておりません。

河本↓
 要検討は(要件とは)考えていないという部分ですけど、かなり重要なことなんですね(最終的な見極めが必要な部分)。
原子力規制委員会のホームページには、使用前検査とは「発電用原子炉施設の工事計画の認可または届出があったものについて、この工事計画との適合性、技術基準との適合性を確認するもの。使用前検査に合格した後でなければ、その発電用の原子炉施設を使用してはならない」ことになっています。
 検査のポイントとして、「工事の工程ごとに機能・性能検査、外観検査、材料・寸法等の検査を実施する」というふうに書かれています。しかし、規制庁の担当官は、美浜3号機が再稼働できる状態になったかどうかというのは公表しないと言っています。
 それなら我々は、「どうやって稼働前の使用前検査に合格したと判断するのか」と問いただしたら、その担当官からの答弁を推測すると、事業者が核燃料を装荷した後に稼働後の検査に入っていくので、事業者が核燃料を装荷するあたりが使用前検査に合格したという一定の目安になるんじゃないかと、担当官の答弁から推測できるわけなんですが、私はこの使用前検査に合格したかどうか、燃料装荷のあたりが重要なポイント、判断のポイントになってくると考えているんですが、町長はどのように考えていますか。

町長↓
 使用前検査の段階、特に燃料装荷前が判断基準になるんじゃないかというお話をいただきました。先ほどから申し上げましたとおり、そういう判断があるかも分かりませんけど、私としてはしっかり責任のある機関が合格ということを出した上で、再稼働につながっていくというふうに考えておりますので、繰返しになりますけど、立地の立場でそれを要検討(要件と)して捉えるというふうには考えております。

河本↓
 規制側の判断というのは重要でありますからね、その見極めというのは首長としては大事なことだと思います。福井県知事は、再稼働同意について「今の状況では日程感はない」と、高浜町議会が「地元同意」を決定した後でも「議論を促す段階にならない」として、県議会に議論を要請するなどのスケジュールは現時点で白紙だという考えを示しています。
 それは政治的な見方としては、本当に当然の考えだと私は思っていまして、美浜町議会の全員協議会でも、経産省は県や町に対して再稼働についての理解、協力を求めているというふうには言うんですけども、再稼働についての安全性、物理的な観点、法令上のことは規制委員会が判断すること、「地元同意」は関西電力と福井県、美浜町との安全協定に基づく了解であると考えているので、国が「地元同意」をお願いしたりとか早めるよう促したり、介入することはしないと言っているんですよね。
 日本で初めての40年を超えた原発の再稼働について、国が他人任せのような態度で、責任の所在が明確でない、曖昧な状態なんですよ、今。
 県が再稼働の同意について議論を要請する状況にないと、スケジュールは現時点で白紙という考え方についてですけども、福島第一原発事故の教訓から、やはりその科学的、学術的な判断を重要視していると思っていまして、議論する材料や国の責任を明確にさせることからも、県の判断というのは道理にかなっていると思います。
 原子力防災についても、内閣府の原子力防災担当が、「まだ決定版と言えるような原子力防災計画にはなっていない」と、国や立地との協議を進めながら充実を図っていくと言っている段階でありまして、これでは「地元同意」の議論など到底できるものでありません。
 町長は議会に対して再稼働について議論し、「地元同意」の判断を求める時期についてどのように考えているのか伺いますけども、既に町議会に対して「地元同意」について議論し、判断を求めたとの認識であれば、その時期を明確にしてもらいたいと思います。

町長↓
 再稼働の議会への要請に対するその判断時期についてのお尋ねをいただいたところでございます。10月19日の臨時議会で、美浜発電所3号機の再稼働について議会の判断を賜りたく、慎重な御審議をお願いしたところでございますけども、その時期については議会が独自に判断されるものというふうに考えております。

河本↓
 10月19日に町長が提案理由の説明の中で申されたことですけれども、提案理由のついでというような形の要請だったので、「地元同意」について、どう判断するのかちゃんと議長に申入れたのかどうかというのを確認したいんですが、口頭だけでなく、口頭とか文書でも、独自に議長に対して申入れをされた事実というのはあるのでしょうか。

町長↓
 議会の報告につきましては、提案理由の中で、議長さんはじめ議員の皆さん方にそういったことでお願いをしたということが、私のお願いというふうに受け止めていただきたいというふうに思います。

河本↓
 臨時会でのあれがですね、「地元同意」については議会独自で判断してくださいよ!と。町長としては「地元同意」じゃなくて、あくまでも意見集約を求めているということなんですか。そのあたりはどう違いがあるんですか。

町長↓
 議会としての意見集約をお願いしたものでございます。議会としては最終的に、国の再稼働に対する理解と協力。これに対して同意するかどうかということをお願いしているものでございます。

河本↓
 議会独自に「地元同意」を判断するということであれば、町長から求められてもいないのに議会が独自に判断することになって、ちょうど高浜町議会の例を見ていますと、議会が実質的な「事実上の地元同意」みたいなことを合意したというふうなことを報道されていましたけども、その後に町長はどういうことを言っているかというと、金品受領問題で引き続き信頼回復に取り組むことや、地元企業育成のための入札に配慮することなどを国に求めた。
 また国に対して原発の新増設を含めた原子力政策の明確な方針を示すことや、原発廃炉を見据えて立地地域の振興策を充実することが求めたと言っていまして、「再稼働の判断の大きな条件は国と関西電力からの回答で、国からの回答は年始の可能性がある」と述べた上で、再稼働の同意については、国からの回答を見極めた上で判断すると言っているんですね。
 こういうことを安全規制側の立場で見たりとか、様々な学術的、科学的な条件を見極めた判断というのが非常に行政も議会も非常に重要になってくるんですけども、高浜町の状況を見ていると議会だけが先走って、見極めというものをしっかり行っていないような状況にも見えるんです。
 新聞報道なんかを見ていますと、議長も12月中に「地元同意」の判断をしたい、判断を議会として結論を出すみたいなことを報道されていましたけども、町長としては特にその「地元同意」を求めているわけじゃないということでいいですか。

町長↓
 ちょっと答えが入れ違いかも分かりませんけども、町長として議会の総意として同意をしていただけるかどうか、その判断をお願いしますと言っておりますので。そういったことでよろしいですか。

河本↓
 「地元同意」は求めていますか。

町長↓
 「地元同意」というか議会としての同意ですね。

河本↓
 議会としての「地元同意」は、町長の立場としては明確に求めているということですね、現時点で。
 現在、議会には「再稼働を求める請願2件」と、「再稼働に反対するように求める請願10件」が提出されているのですが、福井県の原子力安全専門委員会の審査を見極めずに、学識者からの警鐘に対して科学的な検証を積み重ねた結論を導き出されていない現状の中で、再稼働について「事実上の地元同意」というのを、政治的な数で決めてよいのかと私は疑問に思っています。
 原発に推進の立場であっても、これまで「新規制基準に適合した原発は動かしていく」と。新規制基準に適合するかどうかの判断を推進側はよりどころにしてきたわけですけども、使用前検査に合格するといったところが、その推進の立場の再稼働判断、「地元同意」の理由づけに、これまでなってきたと思いますし、そこがその推進側の良識であったと思うのですが、原発関連の受益に預かる地元経済のために、これまでの良識を投げ捨てて、国の責任も明確ではなく原子力防災計画、避難計画も決定版ができていない状態で、議会が「事実上の地元同意」をするんじゃないかと心配で、私としては、反対するだけではなく、継続した慎重な審議こそ必要で、それを求めていきたいと考えています。
 町長は、再稼働を求める請願を議会が可決した、仮定の話ですけども、科学的な根拠のない状態で、美浜町としても「地元同意」をして、国や県に美浜3号機の再稼働を求めていくつもりなのか、それとも、規制委員会や福井県原子力安全専門委員会の審査を見極めてからしっかり判断をしていくのか、そのあたりの考えを伺います。

町長↓
 科学的な根拠のない状態でも、国や県に再稼働を求めていくのかというお尋ねでございます。まず申し上げたいのは、町が国や県に再稼働を求めていくものではないということは御理解いただきたいというふうに思います。
 先ほどの確認になりますけれども、議会にお願いしたのは、町の同意ということではなくて、議会としての同意をお願いしているということは御認識いただきたいというふうに思います。
 先ほど申し上げましたけども、原子力規制委員会により、原子炉施設の設置変更許可が出され、現場においては、使用前検査が科学的、技術的な根拠に基づき行われております。
 なお、再稼働の是非については、国のエネルギー、原子力政策の方針を踏まえ、安全性向上対策工事が完了いたしました美浜発電所3号機の再稼働についての町の理解と協力について、国からの要請を受けて、この議論を進めているものでございます。
 その議論を進める中で請願の採択がなされているとすれば、それは町議会の判断の一つであるということで受け止めることになろうかと思います。

河本↓
 国からの要請があったと言いますけども、国のほうは、「地元同意」してくれとか、地元に対して福島原発事故の教訓を踏まえて、やっぱり「地元同意」に介入することは適切でないという判断をしていますので、再稼働についての責任というのは地元に発生してくるものだと考えております。
 次に、日本金属学会の元会長で、京都大学の小岩名誉教授によると、高浜原発1号機と美浜原発3号機は1970年代に建設されたもので、この時代は製鉄技術が現在よりも未熟で、鉄に含まれる銅の割合が比較的高くて、銅の含有量が高いともろくなりやすいというような知見があるそうなんです。
 銅の含有率は、90年代以降の原子炉では0.01%ほどなのに対して、70年代では0.1%と、およそ10倍の違いがありまして、2基の原子炉もこうした鉄が使われていると言っています。
 原子炉が取り替えられない老朽原発の健全性というのは未知の部分でありまして、運転期間が短い原発よりも事故時のリスクが高いとされています。
 例えばトラブルで原子炉に冷却水を入れて緊急停止した場合に、炉内の温度が300度から100度にまで低下したとします。この温度変化に、新品の鉄であれば十分耐えられるのですが、もろくなった原子炉の場合は壊れてしまうリスクがあるというんですね。
 原子炉の材料の鉄は放射線によって脆化し、もろくなりますが、また、銅の含有率の問題でも、この影響で急激な温度変化に耐えられなくなるおそれがあると言っているんです。
 国内には、50年、60年といった期間で運転した原発というのはまだなくて、どのぐらいの温度変化で材料の鉄に影響が出てくるのか。信頼性の高いデータはないとされておりまして、現時点ではあくまでシミュレーションに基づいて大丈夫ですと言われているにすぎないと言っています。
 こうした学識者の指摘に対しては、規制委員会や県の原子力安全専門委員会でも議論の対象になると思われていまして、これまで原子力産業に頼ってきた関係者の要求や議会の政治的判断だけでは、関電の金品受領問題によって地に落ちた信頼と同程度だと思われて、不信を招き、無責任と責められる要因にもなります。
 私は、議会や行政が、新規制基準や規制側の審査、検査、原発を動かすために必要な法律、手続について無知だと判断されたくはありません。
 そのためには、「地元同意」についても、そのプロセス、その過程が重要であると考えているわけですけども、福井県と美浜町を比べると、美浜町の方が原子力の交付金や再稼働によって生まれる地域経済への受益のために「地元同意」を急いでいるように見えるんです。
 電力会社や原発に関わる地元事業者、町民、そして議会と自治体行政がより安全側の姿勢に立つために、規制委員会や県の原子力安全専門委員会の審査結果というものを見極めるのが政治の役割ではないか。
 審査結果を参考に議論し、「地元同意」や再稼働の賛否について議論を導き出すのが、より安全側に立った信頼性の高い順序ではないかというふうに考えるんですが、町長はどのように考えますか。

町長↓
 いろいろ技術的なことを御紹介いただきましたけども、こういった学識経験者の指摘を元に、しっかり判断結果を確認した上で判断すべきではないかという御質問でございますけども、こういった今指摘をいただいたことも含め、原子力規制委員会からは、中性子照射脆化については、美浜発電所3号機においても、御指摘いただいたような、原子炉容器と同じ材料を試験片として炉内に置いており、高経年化技術評価において、これを取り出し、所要の試験をして評価がなされているもので、現時点において、60年の運転を想定しても、原子炉容器の健全性は確保されている、このように技術的な知見をもって説明を受けておりますので問題はないというふうに考えているところでございます。

河本↓
 確かに、規制委員会もそのように申されてはいるんですけども、実のところ、県の原子力安全専門委員会のほうが、本当に確証を持てるような比較できるデータがあるのかと、原子炉容器についてかなり慎重な姿勢を見せているようでありまして、やはりそういった、規制委員会が基準に基づいて、いいよと言っても、やはり自治体の判断として、よりそれを確証できるような専門家の意見というのを尊重しながら(見極める必要がある)。県のほうは専門家と協議していくという姿勢に立っているので、全て規制委員会が正しいという見地ではなくて、自分たちが責任を持って判断できるような材料というのは、我々もそろえていかなくてはいけない、そういう下で判断をしていかなくてはいけないというふうに考えております。
 先ほど経産省の話もしましたけども、原子力政策は国策であると言いながら、県や町に対しては再稼働についての理解、協力を求めているだけなんですね、国は。
 再稼働についての安全性、物理的な観点、法令上のことは規制委員会が判断すること、「地元同意」は関電と福井県、美浜町との安全協定に基づく理解であると、こういうふうに言っているので、これは原発の再稼働や「地元同意」の責任というのは、町行政や議会にあることになります。
 国は、規制委員会の判断と、県や町の「地元同意」を経て再稼働を決めようとしているようですけども、国は「規制」と「利用」を分離して、独立した原子力規制委員会を設置して、県は原子力安全専門委員会という諮問機関を持っているのに、そういった科学的、学術的審査を行う機関を持っていない町行政や議会が、国や県の機関を差し置いて先に再稼働を認めるような「地元同意」なんてできるわけがないじゃないかと私は思っているんです。
 経産省だって、原子力の利用を推進する我々が、原子力発電施設の稼働を判断することは、安全性、物理的にもふさわしくないと言っていまして、規制側の判断を重視しているわけなんですよ。
 原子力との共生を目指す町行政や議会、また、原子力の受益を受ける町民は、経産省と一緒で、原子力の利用を推進する立場です。国は、福島第一原発事故の教訓から、「利用の促進」と「安全規制」を同じ組織の下で行うことによる問題を解決するために、安全規制部門を分離したんです。
 原子力の利用を推進する立場の町行政というのは、福島第一原発事故の教訓からできた規制委員会や、福井県原子力安全専門委員会、安全規制部門の審査結果を待たずに「地元同意」することはできないと思うのですが、町長、どう思います?

町長↓
 専門機関の判断を待たずして、同意できるのかという御質問でございます。これは、先ほど御質問いただいたときにお答えしたとおりでございます。
 我々は立地として同意はいたしますけども、その背景には、専門的な機関がしっかり検査をすることで再稼働の手続が進められるというふうに考えておりますので、そこら辺は我々の、立地の判断は、そこは当然あるものとして考えております。

河本↓
 前提と言うんですけども、安全規制部門の審査結果を待たない「地元同意」なんて、フクシマの教訓なんて生かされていないと思うんですよね。
 事故以前の状況と何ら変わらないような状況で、非科学的な「地元同意」では、原発による受益者の理解は得られても、国民的な理解は得られないと思います。
 原発の事故による想定で、被害や避難を余儀なくされる広範囲の住民の怒りや反対はより大きく、強固になるばかりです。福井県知事ぐらい慎重な姿勢で、国や関電、安全規制部門の審査結果を見極める姿勢が美浜町には必要ですよ。
 関電の安全対策が終わっただけで、浮かれて「地元同意」なんて、常識的には考えられないんですが、国や関電、安全規制部門の審査結果を見極める必要性を、重要だと考えませんか。
 どうですか、この点については、美浜町にとって安全規制部門の審査結果の見極め、町長とエネルギー政策課にも聞きたいと思うんですけども、その見極めの重要性、必要だと思いませんか。

町長↓
 何度も御質問をいただいておりますけども、私の考え方は先ほど申し上げたとおりと理解いただきたいというふうに思います。

エネルギー政策課長↓
 私、エネルギー政策課の課長といたしましても、町長が申し上げたとおりで考えております。

河本↓
 私は原発に反対で、町長とは原子力政策が根本的に違いますけれども、原子力と共生して利用を推進する立場の者は、良識として、やはり安全規制部門の審査結果を待ってから「地元同意」の判断をするべきだと申し上げておきます。
 次に、原子力防災について質問します。
 自然災害による避難のときには、自助7割、共助2割、公助1割と言われるように、多くは自助、共助に頼らなければならない現実があります。
 原子力により避難が必要とされる災害が発生した場合でも、その自助、共助、公助の割合というのは同じなのかどうか、伺います。

エネルギー政策課長↓
 御質問の件でございますが、一般災害のほうでは、自助、共助、公助、それぞれに果たす役割はあるというふうに考えてございます。とりわけ原子力災害時におきましては、一般災害時と異なりまして、多岐にわたって公的機関が参画いたしまして、また、国の原子力災害対策本部の指示により、防護措置を取ることになるため、自助、共助での取組はもとより、公助が一層重要な役割を担うものというふうに考えております。

河本↓
 確かに、原子力防災については公助の割合を高めたいと、内閣府の担当官も言っていたのですが、公助の部分の割合について、まだ具体的な数値を示せる段階ではないそうです。
 この部分だけ見ても、原子力防災は自助、共助という、地元の負担と責任が大きいわけでありますし、計画が不十分、決定版と言えるようなものがないと内閣府の担当課が認めるように、実効性を期待できるような原子力防災計画では、現時点でありません。
 いったい公助の部分で何割を目指すのか、答えられますか。

エネルギー政策課長↓
 ただいまの御質問でございますけれども、町として公助の割合が何割とか、そういうことは申し上げることができませんので、そのあたり御理解いただきたいと思います。

河本↓
 国のほうでも明確な割合というのはまだまだ出せていない状態ですから、町が答えられるわけはないんですけども(目標ぐらい持って、国に要望するべきですね)、現時点で原子力防災訓練というのは、一般災害と同じように、1割の公助の部分を必死になって訓練しているわけですよね。
 それでも自治体職員向けの防災訓練が主で、住民主体の経験をつくれるような実効性あるものにはまだまだなっていません。感染症対策が加わりまして、1割の公助の部分でさえ、移動手段、受入れ施設、資機材の増加、住民負担という多くの課題が山積しています。
 しかし、住民避難で肝心なのは、残り9割の自助、共助の部分です。自助、共助の生きた経験を積める訓練をしなければ、実効性の確立はできません。
 1割の公助でも困難を抱えていまして、9割の自助、公助の訓練を放置しているようでは、原子力に関わる防災計画、避難計画の破綻は明白ではないでしょうか。そのあたりはどういうふうに考えますか。

エネルギー政策課長↓
 御質問の件でございますけれども、原子力災害時におきましても、自助、共助の役割は重要であると考えております。そのため町では、ここ20年間に合計17回の原子力防災訓練を実施しており、延べ4,000人の町民の方々に参加をいただきながら、原子力防災への理解を深めるための取組を実施しているという状況でございます。
 また、住民の皆さんにも分かりやすいように、原子力防災のしおりというもの、こういうものなんですけども、原子力防災のしおりというものを作成いたしまして全戸に配布をさせていただいておりますし、児童生徒版のそういうものも作成して、町内の小中学生にも配付しているということでございます。
 また、例年、中学2年生を対象に、原子力防災の出前講座というものを実施してございます。原子力防災訓練の内容等につきましても、広報みはま等を通じまして、町民の皆様に広く、しっかりと広報をしてきているという状況でございます。
 先ほどもお答えいたしましたとおり、一般災害とは異なり、原子力災害時には、自助、共助はもとより、公助の果たす役割というものが非常に大きいことから、これからも避難訓練の開催であったり、広報活動や研修といった様々な機会を捉えまして、住民の原子力防災への理解を深めていきたいというふうに考えてございます。
 以上です。

河本↓
 この計画につきましても、まだまだ県と一緒に、美浜町と県と国が協議を繰り返して原子力防災計画の充実を図る段階で、とてもじゃないけれども、現時点の計画では住民の安全を守ることはできません。
 感染症対策によって、広域避難先の受入れもこれまで以上の負担を強いることになりまして、住民感情としても、受入れ先の理解が得られるのか不安です。原発事故と感染症が住民対立、避難者差別の火種になることも予想されます。
 現在、おおい町と大野市が広域避難先に設定されていますが、受入れ施設の増加から同方向に2つの受入れ自治体が必要になってきます。避難する側だけではなく、受入れ側の自治体住民にも過重な負担を与え、住民対立、避難者差別の火種になる原発はもうやめるべきなのではないでしょうか、どう思いますか。

エネルギー政策課長↓
 ただいまの御質問の件でございますが、本町の広域避難先につきましては、状況に応じまして、おおい町、または大野市としてございますが、やむを得ない事情により、事前に定めた人数の受入れができない場合等には、国がその時点で判断いたしまして、福井県や関西広域連合等において受入れ調整を行うということとしてございます。
 国に対しては、国策であります原子力政策に協力する町民が、避難先においても快く受け入れていただけるように、ふだんから原子力発電の必要性や原子力防災等につきまして、国民に理解が醸成されるように求めてまいります。
 また、これまでからも、広域避難先となりますおおい町や大野市には、受入れについて御理解をいただいておりますが、今後もあらゆる機会を通しまして、さらに理解が深まるよう、町としても努めていきたいというふうに考えております。

河本↓
 現時点でも、感染症対策で、バスに乗る人数が制限されたりとか、台数も増えるということが指摘されているのですから、その指摘を十分に考慮した計画にはなっていない状況なので、しっかりと充実を果たすべきだと思います。
 また、首長同士の合意だけではなくて、避難先住民との交流を、先ほど理解と言われていましたけど、やはり交流とか県外避難先の選定も不可欠な状態ではないかと考えるんですが、町行政はどう思っていますか。

町長↓
 ただいま当方の避難先、おおい町と大野市ということで御説明をさせていただきました。これは、まさかのときに御心配のようなことがないように、交流についてはしっかりこれからも進めていきたいというふうに思ってございますし、さらに別の議論、別の市町もよく検討すべきではないかということでございますけども、こういったことも、まさかのときの対応が可能になるよう、また、国、県とも御検討いただけるものというふうに考えていきますし、そういったことにならないように、しっかりまたいろんな安全対策に取り組んでいきたいというふうに思います。

河本↓
 ぜひ、決定版と言われるような防災計画をつくるために尽力していただきたいと思います。
 前回、関電、日本原電、原子力機構の同時事故訓練は必然だと質問いたしまして、町長からは、様々な事象を想定し、実効性を高めることが重要という答弁がありました。
 2019年度の原子力事業者防災訓練では、関電原子力事業本部から原子力規制庁への情報伝達の際、説明ミスや訂正が多かったという課題が指摘されています。
 関電、日本原電、原子力機構の3者が保有する原発の同時事故を想定した場合、各原子力事業者、国、県、30キロ圏の各自治体との情報共有、住民への的確な情報発信は確保されているのでしょうか。どうなんでしょうか。

エネルギー政策課長↓
 御質問の件でございますが、事業者において事故等があった場合につきましては、国、福井県、美浜町も含めた関係自治体に通報される仕組みが確立されているというものでございます。
 また、美浜町のほうでも、災害時における情報発信設備の強靱化と、住民や一時滞在者への的確な情報発信のために、現在、ケーブルテレビの伝送路の光化であったりとか、PAZエリアとなります敦賀半島部での多重化、携帯通信網を活用した防災情報伝達システムの整備等を進めているところでございます。
 引き続き、国、県と連携を図るとともに、住民の皆さんに対しても災害情報が迅速かつ滞りなく伝達できますよう、消防団や自主防災組織等の協力もいただきながら情報伝達体制の多様化にも努めてまいりたいというふうに考えてございます。

河本↓
 緊急時に容量が不足して通信障害などが発生することはないか、そういうことを検討して対策は講じられているのかどうか伺います。

エネルギー政策課長↓
 ただいまの御質問の件でございますが、国、県、各自治体等との情報共有に関しましては、一般回線や、原子力災害対策用に整備されております専用回線、さらには総合原子力防災ネットワークの衛星回線や衛星携帯電話等により、多重化、多様化を図り、連絡体制を確保しているということでございます。

河本↓
 原発事故時の住民への的確な情報発信というのは、防災無線の1系統だけでは不安だと考えています。地域のコミュニティーから距離のある観光客や、町内に住民票を置いていない移住者にも的確な情報が伝わらないといけません。
 これは個人の自己責任ではなく、原子力を推進する原子力行政の責任だと考えるのですが、町はどのような考えなのか伺います。

エネルギー政策課長↓
 ただいまの御質問でございますが、情報伝達につきましてですが、防災行政無線だけではなくて、ホームページであったり音声告知放送、あと緊急放送のメールサービス、広報車等によりまして情報発信をしてまいります。
 また、現在、防災アプリのほうも導入を進めているという状況でございまして、町といたしましては、あらゆる手段を使って的確、迅速に情報伝えることとしているところでございます。

河本↓
 例えばケーブルテレビにおいても、貧困によって行政チャンネルや防災チャンネルを見られない人がいないかどうか。要するに、情報弱者を生まないことが原子力行政には求められていると考えるのですが、原子力との共生を掲げる美浜町として、情報弱者を生まない最大限の努力が必要ではないかと考えております。町行政はどのように考えますか。

エネルギー政策課長↓
 ただいまの御質問でございますが、先ほども申し上げましたとおり、町といたしましては、防災行政無線や音声告知放送、防災アプリ等、あらゆる手段を用いまして情報弱者が生まれないよう、様々な取組により、的確、迅速に情報伝達を行ってまいります。
 なお、取組の一環といたしまして、生活保護世帯に対してのケーブル利用料金の助成制度を創設して運用していきたいというふうに考えてございます。

河本↓
 情報弱者を生まない行政支援、これができないうちから原子力との共生なんて望みようがないので、そのあたり予算的に自治体でできることが限られているなら、これは原子力を国策で推進していく国の責任で整備させるしかないと考えています。
 原発の安全は施設に課せられた原子力事業者への安全対策だけではありません。防災、避難での原子力立地自治体は、詳細で的確な情報発信、情報伝達の手段においても「町民の安全を置き去りにした再稼働などはあり得ないんだ!」ということをしっかり国に伝えていくべきなんじゃないかと考えていますが、そういったことは国に対してしっかり要求しているのでしょうか、伺います。

町長↓
 有事の際の情報発信、情報伝達の手段、これはしっかり国としても責任を持ってやるべきではないかという御質問でございます。原子力防災につきましては、安全対策だけでなくて、的確な情報発信、情報伝達手段の確保、これが重要でございます。
 従来から地域の特性を訴えながら国の支援をいただき、ケーブルテレビの伝送路の光化、さらには、先ほど申し上げましたけども、PAZ圏での多重化、さらには防災情報伝達システム整備、防災アプリの整備、音声告知端末の無線化等、情報伝達手段の高度化、強靭化、これを今図っているところでございます。
 なお、令和4年度中には、最新の情報伝達システムが構築できますけども、より強靱化を図るための取組については、さらに検討を重ねながら、国への支援も併せて求めていくこととしたいと考えております。

河本↓
 美浜原発3号機は、来年1月の再稼働が実現したとしても、特重施設の設置期限が来年の10月でありまして、完成は遅れる見通しであるから、来年10月には停止しなければなりません。
 遅れる見通しというのは報道でありまして、関電は間に合うように努力しているということだけで、特重施設の完成時期については、議会に明確な答弁はしていません。
 完成が遅れるのかどうかの判断ぐらいは現時点で可能だと思うのですが、関電は都合の悪いことは答えません。特重施設の完成が間に合わなければ、「結局、来年10月には止まるものを、町行政も議会も動かすのか」と言われてしまいますし、特重施設の完成が間に合わなければ停止させられることを、町行政も議会も知りませんでしたなんて言うことはできません。
 新型コロナ禍の影響で経済活動が停滞し、急いで老朽原発を稼働しなければならないような電力需給が逼迫した状況でもありませんし、関電の利益や事業者の受益のために、信用も需要も必要性もない原発を、安全規制部門の審査結果を無視して無理やり短期間だけ動かす必要はないと考えています。
 9年以上も停止している老朽原発であることや、関電の信用問題、新型コロナの状況も踏まえれば、特重施設の完成を待って、その間に、検査、感染症対策、避難訓練など、十分時間をかけて検証し、行政側の対策を整えてもよいのではないでしょうか。
 来年1月の工程ありきで再稼働の事実上の同意をする必要はないと考えますが、町の考えを伺います。

町長↓
 関電の工程ありきで、再稼働に実質的な地元同意、これは考える必要がないのではないかという御質問でございますけれども、これまでもずっと申し上げておりますけども、再稼働についての同意の判断は、事業者の工程ありきで進めるものではないと考えております。
 なお、議会の判断結果や町の原子力環境安全監視委員会の御意見、さらには、これまでいろんな説明会等もさせていただいておりますが、こういった機会を通じた町民の皆さんからの御意見をしっかり踏まえて、しかるべきときに私としての判断をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。

河本↓
 関電が失った信頼というものを、来年の1月に取り戻せるような状況ではありません。来年の1月に再稼働しようとしても、取替えから24年も経過している蒸気発生器、また活断層、特重施設設置の問題などで、仮処分申請が相次ぎました。これは裁判のことですけども、美浜3号機は即時停止の訴訟リスクを抱えています。
 美浜3号機は、今年の12月で運転開始から44年を迎えますが、20年延長が決まってから4年が経過しておりまして、残り16年も、訴訟リスク、使用済み核燃料、原子力産業の競争力の低下や人材不足の問題などを抱え、先が見通せないばかりか、どんどん運転期間は短くなっていくので、国よりも地元自治体、関係事業者の再稼働への執着、焦りも大きくなっているように見えます。
 その執着と焦りが、信用も需要も必要性もない老朽原発を短期間動かすことにつながっていて、これは安全を脅かす大きな危険要素となると考えています。
 そこで、住民の安全、健康、生命、財産を守る責任がある議員の立場として、万が一の事故のときに住民が損害賠償を求めることができるように、責任の所在について明確に言っておきたいと思います。
 原発の再稼働に同意した自治体行政、議会、再稼働を求めた地元団体に、想定し得る事故の責任を負う自覚があるのでしょうか。そのことがずっと疑問に、引っかかっております。
 40年を超える美浜3号機が再稼働し、万が一、放射性物質が放出されるような過酷事故が起きた際の責任は一体誰が背負うのか、行政の立場として回答してもらいたいと思います。

町長↓
 万が一の場合の責任の所在はどう考えるのかという御質問でございます。
 原子力事業者が原子力発電所再稼働をさせるか否かを判断するに当たっては、原子力規制委員会が定めます基準に適合すると認められることを要する一方で、法令上、それ以外に行政等の判断は、意思決定は要件とされているものではないというのはこれまでお伝えしているとおりでございます。
 原子力発電所事故の責任の在り方でございますけども、国は、原子力発電所の安全性については、原子力規制委員会の専門的な判断に委ね、同委員会により、世界で最も厳しい基準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し、再稼働を進めるということにしております。
 また、第5次エネルギー基本計画におきましても、万が一、事故が起きた場合には、国は関係法令に基づき、責任を持って対処する旨が明記されておりますし、一義的な責任は事業者にありますけれども、事故を含めて、原子力政策の最終的な責任は国にあるというふうに考えているところでございます。
 立地の立場といたしましては、国や事業者に事故が発生しないよう、安全最優先で原子力発電所を運営するよう求めていくとともに、その取組をしっかりと監視していくことが責務と考えているものでございます。
 万が一、事故が起きた場合には、原子力災害対策特別措置法において、国は、緊急事態応急対策等の実施のために必要な措置を講ずるとされておりますし、あわせて、原子力損害の賠償に関する法律というものがございます。これに基づき、原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に関する原子力事業者が、その損害を賠償する責めに認ずる、このように規定されております。
 また、原子力事業者が損害を賠償する責めに任ずべき枠が、賠償措置額を超えて、かつ法律の目的を達成するために必要があると認められるときについては、政府は、原子力事業者に対して必要な援助を行うもの、このように規定されているところでございます。

竹仲議長↓
 河本議員、時間が来ていますので、最後の発言にしてください。

河本↓
 はい。
 通告が多岐にわたりまして、全部しゃべっていると2時間以上になるようなものになってしまったので、非常に失礼ですけども、また3月の定例会で、「地元同意」がなされないことを願いまして、また原子力に対する質問ができることを願っております。
 以上です。




準備していた内容

 原発は国策であるという理由で、責任を国に押し付けている者が原発を推進しています。国の責任であるということは、国民の責任であり、原発を推進する者が国民に責任を転嫁することは許されないと思います。
 議会、町行政が国に対して再稼働を求め、地元からの突き上げで「地元同意」をして原発を再稼働させようとしているのであるから、国策を受け入れているという状態ではなくなっています。規制委員会の使用前検査の合格、県の安全専門委員会の審査結果よりも早く、「事実上の地元同意」と見られる決断をすれば、再稼働の責任は町の責任になります。このことに町行政の責任を感じませんか。

 原発事故による損害賠償を求める側は、日常生活を壊され、避難を余儀なくされる30キロ圏以上の広範囲の自治体住民が想定されるわけですが、原発の再稼働を決めたプロセス(過程)というのは、重要な争点となるわけで、「美浜3号機の施設は再稼働できますよ!」ということは、国も規制委員会も言わないと言っているわけですから、再稼働については、再稼働を決断した「地元同意」というのが一番の争点になってくるわけです。
 その「地元同意」を判断するプロセス(過程)の中で、行政や議会が安全規制部門の審査結果を待たずに、原発を再稼働させる「地元同意」をしているとなれば、それは「地元同意」を認めた者の責任、町民の責任も免れないと考えますが、町民全体が責任を問われることに町長は責任を感じませんか。私は責任を感じます。おそらく福井県知事は、立地と準立地、関電の経済圏ではない市町自治体の県民のことを考えているでしょうから、関電や原子力の受益者でない県民の命と安全をどう保障していくかという観点から、「再稼働についても国や安全規制部門の責任を明確にしなさいよ」と、「国は、福井県民に再稼働の責任を押し付けるなよ」という意味で、県民に「地元同意」の責任が及ばないよう国が責任ある態度を示すまで国にボールを投げ返すんだと思います。
 国が責任ある態度を示し、安全規制部門の審査結果を見極めた後の「地元同意」であれば、万が一放射性物質が放出されるような苛酷事故が起きた場合でも、それは新規制基準の欠陥や安全規制部門の審査・議論のプロセス(過程)の責任が問われることになると思うので、再稼働についての責任も、「地元同意」した自治体、議会、町民にまで責任が及ぶことはないと思います。
 簡単に言うと、国が責任ある態度を示し、安全規制部門の審査結果を見極めた後の「地元同意」であれば、地元が国策を受け入れているということになりますが、安全規制部門の審査結果を無視した「地元同意」で再稼働が進むのであれば、それは国策の受け入れではなく、地元の責任です。
 私は、町民と原子力の受益者以外の広範な人々をどう保護するのかという観点を、政治家は持たなければならないと思っています。美浜3号機の再稼働に反対する10件の請願の中には、市民団体や個人、全国の自治体議員245名が名前を連ねている請願があります。
 議員245名の背景には、この議員を支える有権者がいまして、数千、数百の得票を得て当選されていることを考えれば、1議員平均で1000の有権者がいたとして24万5000人、美浜町と同じぐらいの1議員平均500の有権者がいたと想定しても12万2500人の有権者が背景に見えるわけです。
 245人の自治体議員が名前を連ねる原発の再稼働に反対する請願1枚だけでも、美浜町の人口の12倍以上になるわけで、その重さを行政にも議会にも町民にも受け止めていただきたいと思います。
 原子力を取り巻く環境は、最近でも川崎重工が原子力事業を売却し、水素エネルギー事業に注力することを決めるなど、原子力は市場での競争力を失っています。半世紀前、化石燃料から原子力への転換が進みましたが、世界市場は原子力から持続可能な再生可能エネルギー、水素エネルギーの活用に転換しています。半世紀ともに歩んできた原子力がいつまでも最先端と思い込んでいるようでは、美浜町の過疎化、産業の衰退は止められません。
 原子力に頼ったままだと新たなイノベーション、新市場や新資源の獲得、新制度の導入などが遅れてしまいます。
 また、青森県のむつ市長は、関電の使用済み核燃料の受け入れについて、「青森県はゴミ捨て場じゃない!関電から協議の申し入れがあっても応じる余地はない」としています。使用済み核燃料やバックエンドの問題を解決できない、未完の技術で9年以上も停止している不安定な原子力という発電方法から撤退し、すぐにでも新たなイノベーションを起こさなければ、市場で競争力を失った原発とともに美浜町も衰退することになります。
 持続可能な再生可能エネルギーや水素エネルギーへの転換は、巨大なリスクと巨大なエネルギーに頼る一極集中型の原発から、分散型の地産地消のエネルギーとしても有効で、一極集中型の発電リスクを回避する手法としても有効で、各地で、新たなイノベーション、新市場や新資源の獲得、新制度の導入などが急激に進んでいます。
 その結果、広範囲の電力消費地の一般住民は原子力でつくった電気を必要としていないわけですから、もはや国策としての原発は必要ない時代になっていると私は考えています。
 いったい何のために原発を動かすのか?目的が立地地元のためであるという理由で老朽原発を再稼働させるなら、その責任は、国民ではなく、地元が全責任を背負う覚悟がないといけません。
 地元の責任を国民に転嫁するようでは、原発を推進する資格はありません。原発を推進し、受益を得る者が自らの責任を回避し、国民に責任を負わせる原発はやめるべきだ!と申し上げておきます。


2、 美浜原発3号機直下の断層について

➀ 資料1〜3を見ると、美浜原発3号機の直下には4つの破砕帯とされる断層と、活断層であるC断層があります。
 C断層は地下4キロの付近にあり、破砕帯とされる4つの断層は3号機直下の地表にまで伸びています。地震、地質の専門家ではなくても、活断層であるC断層や「白木―丹生断層」が動く巨大なエネルギーが発生した場合、地表に伸びる4つの断層が同時に動く危険性を認識できると考えますが、町行政は危険性を認識しているのか伺います。

➁ 美浜3号機は、敷地内の複数の断層が活断層である疑があるとして、規制委員会が2013年に外部専門家を含む専門家チームを設置しました。2015年4月6日の断層の評価会合では、「後期更新世(約12万~13万年前)以降の活動の可能性は明確に否定することはできない」という指摘がなされ、石渡明委員は、今後まとめる評価書案について「歯切れの悪いものにならざるをえない」などと発言していました。
 しかし、当時委員長の田中俊一氏は、6日の評価会合を受けて「一定の方向にまとまったように感じた」、「(安全上重要な施設の下に)当面活動するような破砕帯(断層)はないという理解でいいか」などと見解を述べ、新規制基準の適合性について、美浜3号機の実質的な審査に入ることを提案しました。
 当時、美浜原発は運転開始から38年経過しており、原子炉等規制法で、40年を超えて運転する場合は、新規制基準への適合を確認した上で、別に特別点検による劣化状況の調査結果などを踏まえ、翌年(2016年)の11月末までに規制委員会の認可を必要としていました。
当時の状況を思い返すと、新規制基準の適合性についての審査期間が限られていたことから、当時の田中委員長の提案は、新規制基準の適合性についての審査を急いだ形であるという指摘があります。
 当時、更田委員長代理は「極めて深刻な状況。(適合性審査を)フル回転しても間に合うのか、自信が持てない」と指摘、田中委員長も「今のままのペースで審査が終わるのか疑問だ」と述べていました。
 当時の断層評価については、新規制基準の適合性審査が間に合うかどうかの厳しい日程の中で、規制委員会は2015年の9月30日に、美浜原発の敷地内に活断層が存在する「可能性は低い」との専門家チームの評価書を受理しているのですが、美浜原発の敷地内の地下4キロ付近にはC断層があり、1号機から3号機の原子炉建屋直下などには複数の断層(破砕帯)が横切っています。また、C断層の他にも敷地の東1キロ地点に走る活断層「白木―丹生断層」と敷地内の断層が連動する可能性も指摘されています。
 町行政は、C断層や「白木―丹生断層」(活断層)が動いても、3号機直下の「4つの断層(破砕帯)が動かない」と言い切ることができるのか。町行政の考えを伺います。

 規制委員会は、美浜原発の敷地内破砕帯の活動性評価や活断層について、将来活動する可能性のある断層等に該当しないことや活断層は認められないことを確認したと言います。
 しかし、C断層については、美浜原発の敷地の地下4キロ付近に活断層があり、関電が申請した4キロを、3キロに見直した上で、地震動評価をしています。
 美浜原発敷地内の地下3キロで、断層がずれ動くような巨大なエネルギーが発生することを想定しておきながら、そのエネルギーが地表近くの断層(破砕帯)に影響しないとは考えられないんです。
 断層による内陸地震は、地表に割れが生じるか、地表内部でとどまるかで、地震動が大きく異なってきます。
 規制委員会の評価は、プレート型地震の特徴である地下の震源による揺れを評価したもので、断層による内陸地震の特徴を捉えていない。地下3キロの震源を想定しながら、意図的に地表への影響を排除しているように見えてしまうんです。
 そもそも、原子炉等規制法や政令などで、活断層の上に原発の重要施設を建てないことになっていますが、活断層であるC断層が4キロ付近にあり、美浜3号機直下にも断層(破砕帯)が存在することを考えれば、地震の影響によって美浜原発の敷地内に新たな地割れが発生すること想定した対策が必要です。

➂ 3号機直下の「4つの断層(破砕帯)」が動く可能性について、「規制委員会は、将来活動する可能性のある断層等に該当しないことを確認」と言葉巧みに様々な項目を調査しまとめていますが、完全に動かないと否定できる証拠はありません。
 動く可能性がある以上、地表に地割れが生じて地震動が跳ね上がることが想定されます。地震学者で元原子力規制委員会委員長代理の島崎邦彦氏は、熊本地震を踏まえて「入倉・三宅式では地震動は過小評価」との警告を発し、武村式を適用するよう求めています。美浜3号機の基準地震動は入倉・三宅式で993ガルでありますが、武村式を適用すると1797ガルになるという試算があります。
 なぜ武村式では入倉式より大きな地震規模になるのか、簡単に言うと、入倉・三宅式のベースとなった地震データには、日本国内地震は福井地震しか見あたらず、他は米国、中国等のアジア、南米、トルコ、イランなど全世界からの地震データであるのに対し、武村式は日本国内の10個の地震データに基づいて、日本の地震の特性で評価しているからです。
 熊本地震を検証したものには、武村式に近い数値になり、入倉・三宅式の数値は乖離したという報告があり、規制委員会が、基準津波評価では武村式を用いていながら、基準地震動では著しい過小評価をもたらす入倉・三宅式を用いていることを問題にしています。
 熊本地震で得られた新たな知見は、入倉・三宅式の過小評価を証明し、武村式とは整合的であることを示しており、現在、美浜3号機のクリフエッジ(崖っぷち、大惨事が予測される)の値は1320ガルであるから、美浜3号機の地震動がクリフエッジを超えて大惨事となる可能性が想定されると指摘しています。
 断層が動く可能性を指摘され、武村式によって想定される(予見できる)事故に備える必要があるにもかかわらず、対策を怠ったまま再稼働を求め、再稼働を認めた者は、その責任を問われると考えますが、町行政の考えを伺います。

➃ 美浜3号機の断層評価は、熊本地震後に取りまとめられたものであるが、熊本地震で得られた新知見が反映されていない。激震が繰り返し起こる事や新たな断層や未知の断層が動くなど、熊本地震で得られた新知見で、基準地震動を見直すよう国や県、規制委員会に求めるべきではないか。町行政の考えを伺う。

➄ より安全側の結果が得られる武村式による再評価を行うよう国や県、規制委員会に求めるべきではないか。町行政の考えを伺う。

2、 美浜原発3号機直下の断層についての通告は、はじめて規制委員会の基準地震動評価を違法とし、設置許可を取り消した大阪地裁判決と共通点があります。今回、質問できなかった部分は3月定例会でがんばります。

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