無期雇用転換逃れ 雇い止め許さぬ対処を急げ

 改定労働契約法にもとづき有期雇用労働者が通算5年以上同じ会社で働いた場合、本人が申し込めば無期雇用に転換できるルールが4月から開始するのを前に、「無期雇用逃れ」をはかる違法・脱法行為が、自動車大手や大学、独立行政法人などで相次ぎ明らかになり、大問題になっています。労働組合のたたかいや日本共産党の国会論戦などで雇い止めを撤回するケースも生まれていますが、安倍晋三政権の対応はまだ立ち遅れており、このままでは大量の雇い止めが生まれかねません。政府・厚生労働省は抜本的な緊急対策を強化すべきです。(しんぶん赤旗2018年2月6日)

脱法行為の深刻な広がり

 厚労省によると、有期契約の労働者は約1500万人に上り、その3割、400万人以上が5年以上同一企業で働いており、ルールが適用されれば無期雇用への転換に道が開かれます。
 ところが、日本共産党の小池晃書記局長が昨年の国会質問で追及したように、多くの企業が違法な雇い止めをしたり、脱法行為で無期転換逃れをはかろうとしていることが判明、深刻な実態が次々表面化しています。指摘を受けた厚労省が昨年末に自動車メーカー大手10社を調査したところ、5社が、改定法施行(2013年)後に再雇用までの「空白期間」(クーリング)を6カ月に変更していました。同法第18条2項で6カ月の空白期間があるときはその前に契約して働いた分を「通算契約期間に算入しない」という、法の“抜け穴”を悪用した脱法行為です。これが広がれば無期転換権を行使できる有期雇用の労働者はいなくなります。
 電機メーカーでも無期転換ルール開始を前に、不合理な雇い止めがなされる懸念があることが労働組合の調査でわかりました。
 重大なのは、政府が所管する独立行政法人でも「雇い止め」になるケースが発覚していることです。経済産業省所管の独立行政法人である日本貿易振興機構(ジェトロ)が140人の嘱託職員の「雇い止め」をすすめるよう内部文書で指示していたことがあきらかになり、日本共産党の田村智子参院議員の追及によって、世耕弘成経産相が「文書の撤回」を指示したことは、問題の根深さを示すものです。政府の足元の所管法人で「安定雇用の確保」という法の趣旨に反する事態がまん延していることは、安倍晋三政権の姿勢が問われる問題です。
 各地で労働組合が無期転換の実施を求めて奮闘し、労働者が組合に加入して立ち上がっていることは重要です。東大教職員組合は「5年雇い止めは法の精神に反する」と世論にも訴えて大学側を追い詰め、すべての有期雇用の「5年上限」と6カ月のクーリングを完全に撤廃させました。有期雇用職員は8000人にのぼります。

事態は切迫、緊急対策を

 日本共産党は、厚労省に、労働者に無期転換権を周知徹底する、事業主に法の趣旨を徹底する、自動車や電機メーカーの実態調査などを緊急に申し入れました。安倍首相は施政方針演説で「非正規という言葉を一掃する」と表明しましたが、それならば言葉だけにせず雇い止めを許さない厳格な指導を行い、法改正にも踏み出すべきです。4月まで時間が限られており事態は切迫しています。政治は今こそ責任を果たすべきです。

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