派遣法改悪案強行採決、労働者には過酷な権利後退

 労働者派遣法の改悪案が衆議院で強行採決され可決された。私たちがたたかってきた「派遣切り」裁判では、労働者派遣契約の根拠がない期間制限違反や偽装請負まで労働者派遣法で解釈され、裁判所は派遣先企業の違法行為を認めながら派遣法は労働者保護法ではないとして負け続けてきました。
 改正に必要なのは、「臨時的・一時的業務に限る」大原則を取り払うのではなく、入口規制と派遣先企業の罰則強化で労働者保護法に変えることなんです。
 派遣先に地位確認・損害賠償を求めた「派遣切り」裁判に関連する裁判所の結論は、労働者派遣法は行政の取締法規であり、派遣労働者に何らかの権利・権限など認めていないという事です。
えっ( ゚Д゚)
 普通に考えれば、とんでもない法律の下で就労しているわけですが、派遣先企業の違法のヤリ得に対して無力であることがハッキリわかりきっている法律を罰則規定もないまま「生涯ハケン」に拡大する権力者に対して私たちは屈するわけにいきません。
 2008年の「派遣切り」の後、国民の怒りが政権交代につながったように、平和と民主主義を破壊する安倍政権のような危険な政権は、国民の怒りで何度でも倒すべきです。


派遣法改悪案の採決強行

衆院 共産党反対「大原則覆す」

 「正社員ゼロ」「生涯ハケン」をねらう労働者派遣法改悪案の採決が19日、衆院厚生労働委員会と本会議で相次いで強行され、自民、公明両党などの賛成多数で可決されました。日本共産党は委員会、本会議で討論に立ち、反対しました。民主、社民、生活は本会議を退席しました。維新は、派遣法改悪案には反対しましたが、実効性のない「同一労働・同一賃金法案」(自民、公明、維新が修正提出)と引き換えに採決に手を貸しました。「同一労働・同一賃金」法案に日本共産党は反対しました。

 この日、国会周辺では、全労連、連合をはじめ、労働者が多数駆けつけて採決強行に抗議。「大改悪は許さない」「参院で必ず廃案に」と訴えました。日本共産党の志位和夫委員長は記者会見で「歴史的な大改悪だ」と批判し、「廃案のために引き続き力をつくす」と表明しました。

 日本共産党の高橋千鶴子議員は反対討論で、厚労委員長が職権を6回も乱発する強権的運営を批判し、「審議は尽くされたとは到底いえない」と抗議。改悪案は、「臨時的・一時的業務に限る」とする派遣法の大原則を覆すものだと批判し、労働組合から意見聴取するだけで派遣受け入れ期間を際限なく延長できるなど、「正社員から派遣への置き換えが大規模に進むことは明らかだ」と指摘しました。

 政府が持ち出す労働者のキャリアアップ措置と雇用安定措置については、「実効性がなく、正社員になれる保証はない」と批判。期間制限が来ても部署を変えれば派遣を継続できるため、派遣先による労働者の選別が行われ、派遣法違反の行為を生み出す欠陥法案だと強調しました。

 リーマン・ショックで「派遣切り」された労働者の願いを踏みにじって究極の不安定雇用を広げることは許されないと述べました。

労組が終日抗議 「必ず廃案に」 

 全労連や全労協、連合など諸団体は19日、東京都内で終日、抗議の声をあげ、派遣法改悪案の廃案に向けた運動を展開しました。

 全労連・労働法制中央連絡会は夕方から、JR新宿駅前で緊急宣伝を実施。全労連の野村幸裕副議長は「働き方を根本的に変える悪法が、国民の声を無視して強行された」と批判。自由法曹団の鷲見(すみ)賢一郎弁護士は「生涯ハケンの強要、正社員ゼロ、派遣労働者の首切り自由の法案は必ず廃案に」と訴えました。

 連合は、東京・JR新橋駅前で緊急宣伝を行いました。神津里季生事務局長は、「天下の悪法だ。『生涯派遣で低賃金』をすすめ、正社員が派遣に置き換わる」と批判。「舞台は参院に移る。あきらめず、何としても成立を阻止する」と強調しました。



派遣法改悪案

歴史的大改悪 数を頼んでの採決強行に断固抗議

志位委員長が会見

 日本共産党の志位和夫委員長は19日、国会内で記者会見し、与党が衆院本会議で労働者派遣法改悪案の採決を強行したことについて「数を頼んで採決を行ったことに断固抗議する」と述べました。

 志位氏は「今度の改悪は、これまでの派遣法改悪の中でも文字通り歴史的な大改悪というべき中身となっています」と指摘。「派遣は臨時的・一時的業務に限る」という大原則を担保するものとされてきた「期間制限」(原則1年、最大3年)を取り外し、人を入れ替えれば永久に派遣労働を使い続けられる内容になっているとして、「『常用代替の禁止』という大原則を根底から崩し、正社員から派遣社員へのとめどない置き換えが進むことは火を見るより明らかです」と述べました。

 そのうえで、志位氏は、労働運動のナショナルセンターの違いを超えて反対の声があがり、広範な労働者と国民のなかに批判の声と運動が広がっていることを強調。「廃案のために引き続き力をつくします」と決意を表明しました。

 また、維新の党が与党と「共同修正」し、可決した「同一労働・同一賃金」法案について、「はじめは『均等待遇』と銘打っていたものを、『修正』では『均衡待遇』という概念が入ってきた。『均等』と『均衡』はまったく違います。『均衡』はバランスをとることであって、『均等』にする=差別をなくすということではありません。『均衡』は差別、不平等を含むもので、そういう概念を法案の中に入れこんだのは改悪です」と指摘。「維新の党は、改悪の『修正合意』をすることと引き換えに、歴史的な悪法の採決を容認した、という点で二重に問題のある行動をとりました」と批判しました。


派遣への置き換え進む

派遣法改悪案 堀内議員批判 正社員化 保証なし

 日本共産党の堀内照文議員は19日の衆院厚生労働委員会で、労働者派遣法改悪案について安倍晋三首相に質問し、「正社員から派遣労働者に置き換える『常用代替』が進む。廃案にするしかない」と主張しました。

 堀内氏は、「現行法では業務単位の期間制限があり、そこでその後雇用される労働者は必ず直接雇用でなければならない」と指摘。ところが改悪案では業務単位の期間制限がなくなるため、「期間制限が過ぎれば必ず直接雇用されなければならない仕組みがなくなる」と強調し、「正社員化どころか生涯派遣に道を開くものだ。そうでないなら根拠を示せ」と迫りました。

 安倍首相は、正社員募集の情報提供など実効性のない「雇用安定措置」を挙げるだけで、「雇用の安定は現行より強化される」と強弁。堀内氏が「必ず直接雇用されるといえるのか」と迫ると、塩崎恭久厚労相は「最終的には雇用主が判断することだ」とのべ、正社員化の保証がないことを認めました。

 堀内氏は、半導体大手ルネサスエレクトロニクスで早期退職に追い込まれた課長級社員が派遣社員として戻ってきている実態を示し、「すでに正社員から派遣への置き換えが進んでいる」と強調。「正社員化の道どころか派遣労働者が増えることは明らかだ。法案に『雇用慣行が損なわれる場合』の再検討規定を盛り込んだのも、それを懸念しているからだ。労働者保護とかけ離れた法案は廃案しかない」とのべました。


労働者派遣法改悪案

高橋議員の反対討論

衆院本会議

 日本共産党の高橋千鶴子議員が19日、衆院本会議で行った労働者派遣法改悪案に対する反対討論は以下の通りです。
 もともと本法案は、昨年2度も廃案になったものであり、本来提出すべきではありませんでした。委員会審議では、冒頭から政府答弁の混乱や訂正が相次ぎ、本日6回目の委員長職権という異常な委員会運営に終始しました。審議が尽くされたとは到底言えず、強く抗議するものです。

 審議入りを前に、「いわゆる『10・1問題』」が表面化しました。10月1日施行の労働契約みなし制度について、「大量の派遣労働者が失業」「訴訟が乱発するおそれ」など、何が何でも本法案を9月1日施行で成立させ、みなし効果をなきものにしたいという、経済界の思惑をあからさまに正当化した資料です。それも相手によって説明を使い分けるという悪質さで、国会審議を形骸化しました。このことだけをみても、本法案は廃案にすべきです。

 さらに、本法案でみなし制度の効果が極めて限定的になるにもかかわらず、期間制限に抵触する場合における派遣先の直接雇用申し込み義務をみなし制度の施行を理由に削除したことは重大です。

 そもそも職業安定法44条は労働者供給事業を禁止しており、政府自身も労働者派遣は「臨時的・一時的業務に限る」「常用雇用の代替であってはならない」と説明してきました。本法案は、この大原則を根底から覆すものであり、到底容認できません。

「期間制限3年」際限なく延長も

 今回の改定では、事業所の派遣受け入れ期間は3年としますが、過半数労働組合等から意見を聴きさえすれば、際限なく延長できます。個人単位の期間制限も3年を上限とするものの、課をかえればずっと使い続けられます。さらに派遣元で無期雇用であれば期間制限は一切適用されません。これでは、正社員から派遣労働への置き換えが大規模に進むことは明らかです。

 重大なのは、個人単位の期間制限は、派遣法が禁止する特定目的行為につながるおそれがあることです。政府は「3年ごとに課をかえることでキャリアを見つめ直す」と説明してきましたが、そのためには派遣先が派遣社員を指定・選別せざるをえないのは自明です。派遣先と派遣労働者との雇用関係が生じたに等しく、このような特定目的行為は派遣法の根幹にふれるものです。塩崎大臣も、「労働者派遣制度が労働者供給事業の禁止の例外としている趣旨からも、特定目的行為の禁止は重要な考え方」と認めています。まさに法案の欠陥であり、断じて認めることはできません。

 また、派遣労働者のキャリアアップ措置と雇用安定措置は、いずれも実効性がなく、正社員になれる保証はありません。多くの派遣労働者がキャリアを持ちながら雇用の調整弁として首を切られていることは、質疑でも、参考人質疑のなかでも告発されてきました。それどころか、専門26業務を廃止することで3年後の雇い止めが表面化したのに対して、政府がまったく無策であることは厳しく指摘したいと思います。

戦後労働法制の根幹を崩す法案

 本法案は、昨年廃案になった政府案に、与党修正を盛り込んで再提出されました。しかし、参考人からも指摘されたように、臨時的・一時的原則を法定する一方、事実上期間制限がなくなる。派遣労働者が増えればすみやかに見直しを行うなど、相反した内容で、きわめて矛盾した法案になっています。このような法案は、廃案にするほかありません。

 最後に。2008年秋からのリーマン・ショックをきっかけに、派遣労働が究極の不安定雇用であることが浮き彫りになりました。全国一の派遣切りが集中した愛知派遣村の当事者たちは、当時今の法律があったら自分は正社員になれた、と訴えています。派遣労働者を紙切れ一枚で寒空へ放り出したあの時の教訓から、初めて派遣労働者の保護へと踏み出したはずです。あの原点に、今こそ立ち返るべきです。

 戦後労働法制の根幹を崩す本法案の廃案を重ねて求めます。

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