久しぶりの更新です。毎月の最高裁要請は続けております。

 本件は、2005年2月から4年以上パナソニック若狭工場で勤務を継続してきた河本猛さんが、パナソニックから請負化計画の工程リーダーとなるよう指示を受けていたにもかかわらず、その後請負化計画が中止されたことから労働組合に加入し、違法な就労実態を労働局に告発。その後、偽装請負を認定した労働局からの是正指導がなされたものの、直接雇用を望む河本さんには極めて低条件である時給810円のアルバイト契約が提示されたため、河本さんがアルバイト契約に応じる旨を表明しつつ労働組合による団体交渉を求めたところ、パナソニックらが河本さんの就労の継続を拒否し職場から排除したという事件です。

 福井労働局の是正指導後、河本さんは、パナソニックが提示した期日までに、直接雇用で就労する意思を伝え、提訴後にも代理人を通じて直接雇用で就労する意思を表明しました。

 2009年1月29日から同年4月2日にかけて、さらに同年7月21日にも労働組合による団体交渉を求め協議も行ってきました。

 河本さんがパナソニックで就労を継続する意思があることは明白であり、河本さんがパナソニックから契約を解消される相当な理由は全くありません。

 その原因は、労働局からの指導、労働組合への加入により、河本さんがパナソニックとの交渉から排除されたことが大きな要因となっている点を原判決は明らかに見過ごしています。

 事実経過を踏まえれば、労働局の指導を受けて雇用の安定を講じるべき義務を負っているのはパナソニックであり、指導の対象となった当該労働者である河本さんが交渉を求めているのですから、これに誠実に対応する義務がパナソニックにはあります。

 原判決は、結局、団体交渉が拒否されている事実を全く認定しておらず、労働組合法7条に示す不利益取扱、団体交渉拒否の解釈を誤っております。

 また、労働組合法上の労働者性については、その契約形式にとらわれず、就労の実態から判断すべきであります。

 さらに、労働局の是正指導後、継続雇用の基準を満たす労働者であった河本さんが、賃金や契約期間に対して均等待遇を求め、パナソニックに団体交渉を申し込んだ結果、「直接の雇用関係にない」との理由でパナソニックから団体交渉を拒否され、その後も直接雇用契約の締結に努力し続け、異議を留めて承諾した労働条件に対しても、裁判所から「労働契約の本質的な要素である期間の定め及び賃金について異議を留めた意思表示は新たな申込み」でしかなく、これによって労働契約が成立したとする河本さんの主張を、「主張事態失当」(原判決34頁)と解釈して排斥(はいせき)されてしまっては、憲法28条が労働者に団体交渉、その他の団体行動をする権利を保障した趣旨が損なわれてしまします。

 最高裁におかれましては、原判決を破棄し、パナソニックに対して団体交渉に応じる義務があると認めていただきますよう強く求めます。

 また、公益通報者保護制度は、国民生活の安心や安全を脅かすことになる事業者の法令違反の発生と被害の防止を図る観点から、公益のために事業者の法令違反行為を通報した事業者内部の労働者に対する解雇等の不利益な取扱いを禁止しています。

 罰則について、公益通報者保護法本体にはありませんが、個別法で通報者に対する不利益取扱いを禁止し、これを罰則によって担保することを排除するものではなく、例えば原子炉等規制法や労働者派遣法など、通報者に不利益取扱いを行った事業者に対する罰則が定められているとの国会答弁がありました。

 河本さんは、福井労働局に対してパナソニックの偽装請負・違法派遣を告発した公益通報者です。

 パナソニックが提示する時給810円のアルバイトによる直接雇用の労働条件は、通報者に対する報復と直接雇用を回避するものであり、それまで期間の定めのない状態と変わらず安定して働き、月収30万円以上の収入があった河本さんは、有期期間のアルバイトになると、いつでも報復的な雇い止めを受ける状態となるばかりか、時給810円では、1日8時間、月20日働いたとしても月収13万円以下になります。

 それでも公益通報者である河本さん1人だけが直接雇用を選び、労働組合に加入し、均等待遇を求めて団体交渉を申し込みました。

 パナソニックが提示する請負会社への移籍を選んだ河本さん以外の労働者は2009年から5年が経過する現在でもパナソニックの工場内で就労の場を得ています。

 公益通報者である河本さんのみが、労働局への申告、直接雇用の選択、団体交渉の申込み、を行ったことで解雇や不利益な取扱いを受けているのが実態です。

 最高裁におかれましては、このような実態を看過することなく、解雇無効、不利益取扱い、労働契約の成立を認めていただきますよう強く求めます。

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この記事へのコメント

パワハラを
2014年10月03日 20:24
パワハラを規制する法律は
できないものでしょうか。
セクハラも法律ができて、少しは抑制されましたから。

どの職場も、パワハラが酷いです。


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