パナ若狭「派遣切り」控訴審結審(2013年2月18日)

 パナソニック(本社・大阪府)が福井県敦賀市の若狭工場で行った「派遣切り」に対し、地域労組つるが組合員の河本猛さん(35)が正社員化を求めている裁判の控訴審が2月18日、名古屋高裁金沢支部で結審しました。河本さんが意見陳述を行い、パナソニックと河本さんの間に直接雇用の契約が成立していたのに、団体交渉を拒否して解雇にした不当な実態を改めて訴えました。
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支援者に裁判の報告をする河本さん=18日、金沢市


直接雇用は成立
団交拒否の不当


原告の河本さん訴え

 この控訴審は昨年(2012年)9月の証人尋問で団体交渉拒否の経過が詳しく明らかにされ、昨年12月に結審するはずでしたが、1回廷長されました。その間に、山本博・前裁判長が突然依願退官し、市川正巳裁判長に交代しました。法廷も、挟い部屋に変更となりました。

 河本さんは、請負契約なのにパナソニックから指揮命令を受ける「偽装請負」などで2005年2月から4年間も働かされていました。福井労働局の是正指導後、2009年1月に会社が提示した直接雇用への切り替えに同意し、さらに時給810円という劣悪な労働条件を改善するよう労働組合の団体交渉を申し入れたところ、団交も就労も拒否されて、解雇されました。

 陳述で河本さんは「労働組合に加盟して団体交渉を申し込んだことに対して差別的に扱い、職場から排除する報復だった」と強調しました。

 「団体交渉」という言葉を7回も繰り返し、不当解雇の実態を強調しています。

 結審後、報告集会が開かれました。

 河本さんは「自分の主張を通した。パナソニックの意図的な職場排除を、新しい裁判長に見逃さないで判断してほしいと、しっかりアピールした」と話しました。

 村田浩治弁護士は「多くの派遣切り裁判では、労働者は解雇された後に労組に加入しているが、河本さんは先手を打って団体交渉をしている」と強調。「裁判支援とともに、職場での取り組みをすすめてほしい」と呼びかけました。

 福井県や石川県、パナソニック退職者などの支援者が集まり、「全力で公正な判決を求める署名を集めたい」「電機リストラとのたたかいと併せて力を尽くそう」などの決意を語りました。

 判決日は、4月24日です。(2013年2月20日・しんぶん赤旗)



意見陳述書

2013年2月18日
名古屋高等裁判所金沢支部 御中

控訴人 河本猛

 本日は、意見陳述の機会を与えてくださいましたことに感謝申し上げます。

 結審にあたり、改めて、この訴訟において、私が訴えたいことについて申し上げます。

 私は、2005年2月にパナソニック若狭工場で働き始めてから2009年2月に工場に入ることを拒否されるまで、パナソニックからの指揮命令を受けて働き、勤務管理表に基づく賃金の支払いを受けてきました。

 工場での仕事は忙しく、最も忙しい時は年間3358時間も働き、毎月100時間以上もの残業をこなしてきました。

 パナソニックが、私に対して過労死基準を超える長時間労働を命令し、4年もの長きにわたって働かせてきたのは、私が夜勤専属でパナソニックのために誠実に働いてきたからです。

 2008年秋以降、私が働いていた入カデバイスチーム成形係は正社員化されました。同年12月18日には福井労働局から労働者の雇用の安定を図るよう是正指導があり、パナソニック若狭工場の偽装請負が認定されました。

 その後、2009年1月16日、パナソニックから雇用継続の条件が提示され、私はパナソニックの直接雇用を選び、これからもパナソニックの従業員として働きつづけたいとの意思を示しました。

 もちろん、労働条件に関しては、パナソニックが提示する時給810円のアルバイトでは不十分だと思いました。これまで直接雇用は正社員しかありませんでしたから、労働組合に加盟し、パナソニックに対して均等待遇を求める団体交渉を申し込みました。

 しかし、パナソニックから団体交渉を拒否され、不誠実な対応を受けたため、このような裁判にまでいたっています。

 パナソニックから雇用継続の提示を受けた私以外の労働者たちは雇用が継続され、雇用継続の提示から4年以上が経過する現在でもパナソニック若狭工場で働いています。

 私だけがパナソニックの提示する直接雇用に同意し、団体交渉を申し込んだだけて、なぜ職場から排除され、収入も無く将来の展望さえ見えない無駄な4年間を過ごさなければならないのでしょうか。

 私は、福井労働局の是正指導後、パナソニックから雇用継続の条件を申し込まれた継続雇用の基準を満たす労働者です。パナソニックが提示する直接雇用に同意し、団体交渉を申し込んだ後も交渉結果に関わらず働き続けられると期待していました。

 労働争議、裁判となっていますが、私がパナソニックでの就労を拒否した事は一度もありません。私が当初から一貫して求めているのはこれまでと同様に安定してパナソニックで働き続ける事です。

 私は今年35歳になりました。再就職も厳しい年齢となり、最も充実してスキルを身につける時期に働く事も出来ず、不当な職場排除を受けています。パナソニックでの職場復帰以外に将来に何の展望も見いだせません。

 パナソニックが誠実に団体交渉に応じていればこのような裁判になる事はありませんでした。まず交渉の場につき、話し合う事が出来れば、お互いが納得できる状況をつくれたと思います。 しかし、パナソニックは団体交渉に応じることさえしませんでした。そのため、やむを得ず、私は裁判をするしか方法がなくなったのです。

 パナソニックは、私ひとりが直接雇用に同意し、労働組合に加盟して団体交渉を申し込んだ事に対して差別的に扱い、職場から排除する報復を行いました。

 これまでの審理で、パナソニックが継続雇用を恣意的に拒否する以上に悪意と計画性をもって意図的に私だけを職場から排除した事は明白です。

 裁判所におかれましては、パナソニックの意図的な違法行為を許さず、パナソニックと私の雇用関係が存続し、すぐにでも職場復帰できるように、公正な判決をしてくださいますようお願い申し上げます。

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写真撮影:山本雅彦氏


非正規35・2%過去最高
労働力調査 女性は54・5%
(2013年2月20日・しんぶん赤旗)
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 総務省が19日発表した2012年平均の労働力調査詳細集計によると、雇用者(役員を除く)に占める非正規雇用労働者の割合は35・2%と、1984年の調査開始以来、最も高い割合となりました。前年に比べ0・1ポイント上昇しました。

 男女別に見ると、男性は0・2ポイント低下し19・7%、女性は0・1ポイント上昇し、54・5%となりました。

 雇用者総数は5154万人と、前年に比べ9万人減少しました。このうち、正規雇用労働者は12万人減少の3340万人。非正規雇用労働者は2万人増加し、1813万人と、調査開始以来最多となりました。パート・アルバイトは12万人増の1241万人となりました。契約社員・嘱託は354万人、派遣社員は90万人でした。

 失業期間が1年以上の完全失業者は107万人。年齢別に見ると、15~24歳の若年層は13万人、25~34歳は26万人となりました。若者の長期失業は依然として深刻な状態です。

 離職した完全失業者は204万人。このうち、「人員整理・勧奨退職のため」離職した労働者は27万人、「会社倒産・事業所閉鎖のため」離職した労働者は21万人でした。

 年間収入が200万円未満の雇用者は1782万人でした。このうち非正規雇用労働者が1369万人と、76・8%を占めています。

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