敦賀市で原子力発電問題全国シンポジウム 日本科学者会議

 日本科学者会議が25、26の両日、福井県敦賀市で開いた第33回原子力発電問題全国シンポジウム「福島原発災害の教訓をどういかすか」では、福島県民の置かれている実態や東京電力福島第1原発の現状、放射能汚染の状況とともに、「脱原発」後の地域づくり、電力問題や今後のエネルギーの方向性が提起されました。(2012年8月27日・しんぶん赤旗)
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原発と地域
放射能汚染で未来奪われる

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(写真)原発シンポで講演する清水修二・福島大学教授=26日、福井県敦賀市

 「福島の惨禍に何を見るか」と題する特別講演をしたのは、福島大学教授(前副学長)の清水修二氏。県内外に16万人が避難し、依然七つの自治体が役場を移転している現状があるのに、福井県、おおい町などの自治体が再稼働を認めていることは「残念」としました。

 原発誘致で地域の発展をはかるという「外来型開発」を批判した清水氏は、福島原発災害の現状をリアルにみるなら、原発のリスクと地方財政や地域雇用はてんびんにかけることはできないと強調。放射能汚染が起これば地域の未来が奪われ、とりかえしがつかないと指摘しました。

 また、雇用問題について、チェルノブイリ原発の例をあげ、「原発が停止した状態では雇用はないが、廃炉は雇用をうむ」とし、「原発依存からの脱却を国策に」と主張しました。

 福島では、原発災害で、家族の離散や、被害者同士の人心の分断まで生じていること、何よりも県民は健康被害の小さいことを願っていることなどをあげ、「憲法13条の幸福追求権」が崩されてしまっていると述べました。

自然エネルギー
明確な展望と方向性を示す


 原発に頼らない太陽光や風力など再生可能エネルギーの未来について、日本環境学会会長の和田武・元立命館大学教授は明確な展望と方向性を示しました。

 和田氏は、再生可能エネルギーの潜在的発電能力は、現在の原発をふくめ発電能力の数倍あること、資源が無限、地域で雇用をうむ、事故リスクがほとんどない、などの利点を列挙しました。

 ドイツやデンマークの実例を紹介しながら、日本での普及の遅れを指摘しました。

 7月から施行された再生可能エネルギー法について、和田氏は固定価格による買取制度が導入され、「どこで誰がどんな発電をしても損しない仕組み」ができたと説明。

 この制度のもとで、市民、自治体、生協や農協などの団体、中小企業が再生可能エネルギーの発電施設の建設・運営をすすめることや、都会や山村など地域の特性を生かすことが重要だとのべました。

電力問題
原発なしでもまかなえる


 元電力中央研究所の本島勲氏は、原発をもつ9電力会社の過去の発電の需要と供給の関係を詳しいデータを示しながら解説しました。

 本島氏は、原発が大企業、大規模工場のためにあると指摘。水力、火力、原発などのシステム別に発電設備の稼働率を検討した結果、「火力発電の稼働率を7割に上げれば、原発なしでも電力はまかなえる」と結論づけました。

 2日間の参加者は、201人。地元、福井県や敦賀市からも多数の市民が参加しました。


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シンポジウムで、ピースアクションのカンバッチを販売
ピースアクションは10月20日(土)福井駅西口広場にて「ピースライブ2012」をおこないます。


原発のない平和な未来を
好評です カンバッチ
福井の青年グループ制作


 ほのぼのとした優しいタッチの子どもの絵と「原発ゼロ」「P e a c e」の文字・・・。原発立地県の福井県の若者たちのグループ「ピースアクション」が作ったカンバッチが好評です。(写真)

 絵とデザインは同県敦賀市在住の山本育美さん(23)によるものです。原発のない平和な未来をめざし活動しているピースアクションが、10月に計画している「ピースライブ」のカンパ活動の一つとしてはじめたもの。

 7月はじめに作りましたがすでに東京都内での「さようなら原発10万人集会」で400個を普及するなど、600個作ったバッチも残りわずか。100個新たにつくることにしました。メンバーの河本猛さん(34)は「原発を認める人たちとも平和や原発について話し合っていきたい。そのきっかけになれば」と話します。


科学者会議全国シンポ
福井・石川からも報告
原発に依存しない地域へ


 福井県敦賀市で25、26の両日開かれた日本科学者会議の原子力発電問題全国シンポジウムでは、東京電力福島原発事故の要因と被害状況を明らかにし、原発に依存しない地域づくりが話しあわれました。原発立地県で活動する福井、石川両支部の報告者は「原発と雇用問題」「原子力防災計画と防災訓練」で問題提起しました。(2012年8月28日・しんぶん赤旗)

 福井支部の坪田嘉奈弥さんは、日本原子力発電敦賀原発などを誘致してきた敦賀市が、人口規模で類似した県内他市より製造業の立ち遅れた産業構造となっている問題にふれ、原発依存の弊害を指摘しました。そのうえで、「今必要なことは、原発から早期撤退する方針を国に出させ、廃炉後の雇用とまちづくりのプランを、まち全体で早急に立てることだ」と強調。原発下請け労働者の被ばく労働の実態からも、原発をただちに廃炉にすべきだと訴えました。

 石川支部の児玉一八さんは、北陸電力志賀原発をかかえる石川県で、過酷事故を想定しない原子力防災計画や防災訓練の重大欠陥の抜本的見直しを求めてきた経過を報告。今年6月実施の原子力防災訓練では福島原発事故をふまえ、従来の2キロ圏から30キロ圏に広げた防災対策重点地域の住民の県外避難となったものの、能登半島の先に避難対象外の区域が残される問題などを指摘しました。児玉氏は「過酷事故が起こった際、原発周辺などの住民が避難できない重大問題を放置したまま、原発再稼働など断じて許されない」と強調しました。

 参加者からは「(住民避難では)避難路をきちんと確保しなければ、避難先をいくら決めても話しにならない」との意見が出されました。

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朝日新聞

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