大飯原発再稼働許すな/市民が座り込み宣伝/福井県庁前

 関西電力・大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働をめぐる緊迫した情勢で、原発問題住民運動福井県連絡会が呼びかけた県庁前の座り込み宣伝行動が31日も取り組まれました。野田佳彦首相が30日の関係閣僚会合で、再稼働に向けて、関係自治体の一定の理解が得られつつあるとして、立地自治体の同意を前提に自らの責任で判断すると表明したことに対し、参加者らは厳しく批判しました。

 ツイッターで知って来たという勝山市の女性(35)は「再稼働は断固反対です。人間が核を扱うことは反対です。政治を変えないといけないし、それには世論しかない。もっともっと周りの人に訴えていきたい」と話しました。

 福島県で除染ボランティア活動をする東京都の男性(28)は「少しでも線量を減らしたいが、広大な範囲なので終わりが見えない。おとなは子どもの被ばくで自らを責め、心が壊れそうです」と訴えました。
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(写真)再稼働反対を訴える人たち=31日、福井市


大飯再稼働の条件なし 原発ゼロの政治決断こそ
志位委員長が会見


 日本共産党の志位和夫委員長は31日、関西広域連合が関西電力大飯原発3、4号機の再稼働について声明を発表したのを受け野田佳彦首相が再稼働を決定しようとしていることについて、「広域連合の声明をもって、再稼働への条件が整ったとは到底言えない。再稼働の是非は科学的安全性が唯一、最大の基準だ」と政府の姿勢を批判しました。

 再稼働について志位氏は五つの大問題があると提起。(1)福島原発事故の原因究明がされていない(2)政府がとりあえずやるべきとした「安全対策」さえ取られていない(3)地震・津波の学問的知見を根底から見直す必要がある(4)原発事故が起こった場合の放射能被害の予測も住民避難計画もない(5)まともな原子力規制機関がない―ことをあげて、「この状況での再稼働は無謀極まりない。科学的知見も、道理のかけらもなく、中止するよう強く求める」と述べました。

 そのうえで、「いまなすべきは、『原発ゼロ』の政治決断だ」と指摘。「そうしてこそ、当面の電力需給への対応も、再生可能エネルギーへの切り替えにも本腰が入る」と強調しました。


宗教者 再稼働に反対
大飯原発 福井知事に「会」要請


 原子力行政を問い直す宗教者の会は30日、関西電力・大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に反対する要請書を西川一誠福井県知事あてに提出しました。北海道や青森県、北陸、関西両圏など各地から仏教やキリスト教などの宗教者ら約60人が県庁に集まりました。日本山妙法寺が命の尊さを伝えようと全国の原発を巡り祈る「命の行進」に参加しているネパールの仏教者も「日本が心配だ」として駆けつけました。

 福井県世話人の中嶌哲演・明通寺住職が要請書を読み上げ、(1)「フクシマ原発震災」の悲しみを共有する(2)原発稼働は労働者と住民の被ばくが前提となる愚かさに目を覚ます、の2点を求め、再稼働に反対するよう要請しました。

 福島県南相馬市から妻子と福井県に避難している仏教者(38)は家族がばらばらの福島県民の現状を告発し、「福井は福島に本当によく似ている。違うのはビフォーが福井で、アフターが福島ということです。福島の状況からよく学んでほしい」と訴えました。


「原発はいりません」
市民ら首相官邸前で抗議


 大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に反対する市民200人は31日夕、首相官邸前で再稼働反対を訴えました。仕事を終えた人などが続々とかけつけ、ハンドマイクを握りました。

 市民の抗議行動は連日行われています。5月30日の官邸前の抗議にも参加した東京都の男性(51)。同日昼、「官邸前に行ける人はぜひ!」とインターネットのツイッターを通して呼びかけました。「同じように呼びかけていた人が何人かいました。官邸前に集まったのは4、5人でしたが、気がついたら60人に増えていました。メガホンもなくて、肉声で訴えました」

 この男性はいいます。「安全でないのに稼働させるというのは人間として疑問です。首相らが自分たちの声を聞いてくれるかもしれないという希望を持って言葉で訴えているんです」

 14週間、経済産業省前で原発反対を訴えているという東京都の女性(62)はマイクを握り「原発の問題は命の問題です。今まで無関心だった自分を恥じています。日本に原発はいりません」と力強く訴えました。

 参加者は首相や閣僚らに宛てて「原発事故の収束はついていない」「再稼働反対」など思いを書きました。集まった約50通のメッセージは、内閣府の職員へ渡されました。


主張
大飯原発再稼働
前提抜きの決断はただの暴走


 野田佳彦首相が30日夜の原子力発電所に関する4大臣会合で、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働について近く自らの責任で判断するとの意向を明らかにしました。事実上の再稼働宣言です。

 東京電力福島原発事故の原因究明が尽くされたわけでも、安全対策や万一の場合の避難計画などが前進したわけでもありません。新たな規制機関もできていません。前提条件も整わないのに決断するのはただの暴走です。首相は関係自治体の理解が得られつつあるからと言いますが、それこそ無謀な再稼働の押し付けそのものです。

再稼働の条件はない

 いま日本にある50基の原子力発電所は、すべて定期点検や故障で停止中です。再稼働できていない一番の理由は、昨年の福島原発事故で安全に運転できる保証がないことが明らかになったからです。

 東日本大震災で破壊され、放射性物質を外部に拡散する重大事故を引き起こした福島原発は、原子炉内部の様子さえわからず、どこがなぜ壊れたのかさえわかりません。東電は地震には耐えたが津波で破壊されたと言うだけで、原因を突き止めたわけではありません。政府と国会の調査委員会も、事故原因の究明は東電任せです。

 事故原因が究明されていないのに、安全基準や対策も確立できません。だいたい全国の原発がどの程度の地震や津波に見舞われるかの想定さえ見直しが迫られているのに安全が確保できるようにいうのは、新たな「安全神話」そのものです。

 政府は先に原発再稼働にあたっての「安全性」についての基準を示しましたが、その中身は昨年の事故後各原発に指示した非常用電源車の配置や机上で原発の耐震性などを検査する「ストレステスト(耐性試験)」の実施などで、大飯原発の場合、事故のさい不可欠な免震事務棟の整備などはすべて計画だけですまされています。まったく安全の名に値しません。

 国会で「規制庁」法案の審議が始まったことを、政府が再稼働を決断する口実にしているのは許されません。審議が始まっても新しい規制機関ができたわけではなく、再稼働にお墨付きを与えるだけの規制庁なら、それは原発の安全を確保する規制機関の名に値しません。再稼働のために法案審議を急ぐなどというのは本末転倒です。

 細野豪志原発事故担当相は30日の関西広域連合の会議で、基準は「暫定的」で新しい規制機関が見直すと認めました。それなら少なくとも基準が見直されるまで再稼働を延期すべきで、「暫定的」などとごまかして、その前に運転を再開すべきではありません。期間を限ってなどと言い出し、再稼働に道を開いた橋下徹大阪市長らの責任も問われます。

撤退決断してこそ

 政府や橋下市長らは、大飯原発を「限定的」でも再稼働させなければ電力供給に不安が出ると言いますが、本来原発の安全性と電力問題はてんびんにかけるものではありません。しかも野田首相は、「経済社会全体の安定と発展のため」原発が重要と言い出しています。再稼働が「限定的」ですむ保証はどこにもありません。

 安定供給をいうなら、一日も早く原発からの撤退を決断し自然エネルギーへの転換や省エネルギーに力を尽くすことこそ重要です。(2012年6月1日・しんぶん赤旗)

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(;`皿´)
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(;`皿´)
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 福井県の西川一誠知事は4日、関西電力大飯原発3、4号機(同県おおい町)の再稼働問題で、細野豪志原発相らと県庁で会談し、改めて野田佳彦首相が記者会見を開くなどして、再稼働の必要性を国民に直接説明するよう求めた。その対応を見極めた上で再稼働に向けた地元手続きを進める考えで、知事の最終判断が今月中旬以降にずれ込む可能性が出てきた。
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