テレビ西日本で働く宮崎幸二さん・福岡地裁判決、ソニー・被災労働者に不当な提案

派遣法判断避け棄却
テレビ西日本 正社員化認めず 福岡地裁判決


 テレビ西日本(TNC=本社・福岡市)で派遣社員として働く無線技術士・宮崎幸二さん(48)が、正社員としての地位確認と賃金差額分約4000万円の損害賠償を求めた裁判の判決が8日、福岡地裁でありました。

 岩木宰裁判長は原告の請求をすべて棄却しました。宮崎さんは控訴するとしています。

 訴えでは、宮崎さんの業務はテレビ局から一般家庭に電波を届ける「送信業務」はテレビの主要業務だとして、派遣期間の定めのない「政令3号業務」(放送番組の制作のための機器の操作)に当たらないと主張。

▽11年に及ぶ派遣は労働者派遣法の3年の期間制限に違反する

▽TNCは宮崎さんを無線従事者の免許保持者として総務省に届けている-などをあげ、「正社員にすべきだ」と求めていました。

 判決は、宮崎さんへの労働者派遣法違反や電波法の規定には触れず、「派遣先や派遣元は労働者派遣法違反の状態が生じないよう抽象的な義務を負っているが、その義務は公法上の義務であって、直ちに私法上の効力を有するものではない」との形式的な判断で訴えを退けました。

 代理人の井下顕弁護士は、「労働者派遣法や電波法の判断を避けた不当な判決」と語り、宮崎さんも「これからたたかいをスタートさせたい」と控訴してたたかう決意をのべました。

違法追認 逃げの判決
解説


 TNCに正社員化を求める裁判では、派遣社員のまま3年を超えて働かせることを禁じた労働者派遣法40条が争点でした。

 TNC側は、宮崎幸二さん(48)の従事する「送信・送出」業務が、派遣期限の定めのない”単純労働“にあたるとして、正社員化の義務はないと強弁。原告側は、派遣法違反は明白と主張していました。

 しかし、福岡地裁は派遣法について、派遣先企業が使用者と労働者の私的な関係では雇用義務は生じないと、あえて争点を回避する判断を示しました。

 電波法は、国家資格を有する無線従事者の常時配置義務を放送事業者に課し、TNCは宮崎さんを無線従事者として総務省に届け出ています。宮崎さんの携わってきた業務がTNCの言うモニターをチェックするだけの「操作」だとすれば、TNCは電波法に違反していることになりますが、判決はこの判断も避けました。

 原告側代理人の井下顕弁護士は「逃げの判決だとしか言いようがない。格差と不公平の温床になっている派遣労働の実態から目をそらしたもの」と批判しました。(岡素晴)

ソニー側 不当な提案
超低賃金か 雇い止めか


 震災を口実とした期間社員の雇い止め撤回を求めてたたかうソニー労働組合仙台支部(電機連合加盟)は7日夕、ソニー仙台テクノロジーセンター(宮城県多賀城市)で会社と団体交渉を行いました。会社側は、期間社員に対して生活不可能な低賃金での雇用を受け入れるか、雇い止めかを迫る不当な提案を行いました。

被災期間社員に
 会社が選択肢として示した条件は、▽ソニーの子会社のさらに子会社(清掃業務)の正社員で、基本給は月15万円。多賀城勤務は若干名で、ほとんどの人の勤務先が首都圏となり、引っ越し費用も自己負担▽現在の職場で、6月まで雇用延長して雇い止め。実際の作業には復帰させず、装置を「監視」しているだけ―というものです。

 期間社員には妻子のいる人もおり、「現在の18万6000円でもぎりぎりなのに、15万円では生活できない」「東京勤務と言われても、引っ越し費用も出せない」「アリバイ的に正社員を提示するなんて許せない」と怒りの声があがっています。

 勤務先として示された清掃会社は、東京勤務の契約社員をハローワークで求人募集した際、月給21万~24万円と提示しています。期間社員に示された基本給15万円は、それより劣悪な条件で、正社員とは名ばかりの「いやならやめろ」という内容です。

 また期間社員を雇い止めにするとした6月は、派遣から直接雇用に切り替わって2年11カ月にあたります。会社は、雇用して3年未満なら、解雇を制限する「解雇法理」をまぬがれるという思惑があるとみられます。しかし、期間社員の労働実態は正社員同様であり、「解雇法理」を逃れられません。

 期間社員のほとんどは偽装請負や派遣期間もあわせ5年以上、ソニーで働いており、日常的に上司から「正社員採用する」と言われていました。業務内容も、正社員に仕事を教え、半年更新の契約ながら1年以上にわたる業務改善プロジェクトのメンバーになるなど、基幹的労働者として扱われていました。

 団体交渉のなかで、会社側は廃止する予定だった製造ラインを4月から再開すること、期間社員が作業していた製造ラインで新製品の製造など増産計画があることを認めました。しかし、期間社員の作業復帰を拒否しました。

 組合側は、団体交渉で雇用継続について話し合うよう求めていますが、会社側は期間社員に個人面談を行い、15日までに個別に回答するよう迫ろうとしています。

 宮城労働局はこの間、労使の話し合いが重要であるとソニーを9回以上指導しています。団体交渉で話し合わず、個人面談で選択を迫るやり方は不誠実な態度です。

 ソニー労組は、東京本社の責任を問うため、労組中央委員会でも対応を協議しています。
2012年2月9日・しんぶん赤旗

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