民主党には派遣切りへの反省がない 特集 派遣法骨抜きを許さない 学習の友2月号

学習の友2月号に河本さんの原稿が掲載されましたので紹介します。12月号でも写真が掲載されていました。
画像


特集 派遣法骨抜きを許さない

もう一度、家族と一緒に
 派遣切りとたたかう、いすゞの五戸豊弘さん
 (JMIUいすゞ自動車支部)に聞く

原点に返って、今、労働者派遣問題にとりくもう
 生熊茂実

言いたいことがある
 203名を解雇し、240名の雇い入れ
  JMIUダイキン工業支部 青山一見

 民主党には派遣切りへの反省がない
  パナソニック若狭工場・正規雇用裁判 河本 猛

 財界・政府のからみがでかい
  JMIU神奈川地本・日産自動車関連支部 阿部 恭

派遣法抜本改正と「派遣切り」裁判の勝利を!
 鷲見賢一郎

われら1%、文句があるか!? 「おおありです」
 中島康浩

団交の前日に眠れなくなる人へ
 要求づくり、仲間づくり 第5回
 三木陵一

二つの市民アンケートにとりくんで見えてきたこと
 自治労連・名古屋市職労 塚本紀子



新コラム あったか、ほっこりの労働運動
 原冨 悟

リアルであるための視点 最終回
 村本 敏

食と健康の危機 ―農業をないがしろにしたツケ
 滝澤昭義


民主党には派遣切りへの反省がない
「派遣切り」への反省もなく、今後も若者に不安定雇用を押しつけるというのであれば、民主党政権を倒すためたたかいます。
 パナソニック若狭工場・正規雇用裁判 河本 猛

いいなりに働くしかない

 派遣や非正規労働のつらいところは、仕事の中枢を担っていながら正社員に比べて賃金が低いこと、不安定雇用でいつクビを切られるかわからず将来への展望がみいだせないことです。

 現在、派遣切り・非正規切り裁判では企業の違法行為を認定しながら職場復帰を認めない、一般常識からしてもおかしな不当判決がつづいている状況で、違法行為をおこなった企業が免罪され、違法行為を受けた側の労働者が保護されないという無法が証明されています。

 そのような社会情勢で働いている労働者は、違法行為であっても使用者のいいなりに働くしかありません。抵抗すると雇い止め・解雇が待っている悲惨な状態です。また、不況の影響で正社員の募集は少なく、低賃金・不安定雇用でも生活のために受け入れるしかありません。

年間3358時間労働

 私は日本ケイテムという会社から職業紹介を受けて05年2月からパナソニック若狭工場で働くようになりました。パナソニックの工場で働くことを目的としていたので日本ケイテムの従業員になったつもりはなく、派遣なのか?請負なのか?契約形式にも特に感心はありませんでした。

 工場では、パナソニックの社員から仕事を教えられ、指揮命令や賃金決定に必要な勤務管理をパナソニックがおこない、日本ケイテムはパナソニックの管理業務にもとづいて賃金を支払うような代行業者でした。

 仕事は生産体制にくみこまれ、パナソニックの指揮命令・労務管理の下で働くので業務連絡、有給・休日の取得などの連絡事項も直接パナソニックとおこない、直接雇用者と何ら変わらない状態でした。当然、私たちもパナソニックの従業員だと意識して仕事をしてきました。

 当時、仕事は忙しく毎月80時間をこえる時間外労働は当たり前のようにあり、06年の年間労働時間は1542時間の時間外労働をふくめ3358時間にもなります。08年秋に「派遣切り」されるまで月収30万円を下回ったことはありませんでした。

 また、パナソニックは私たちが知らない間に契約形態を自由に変更してきました。

 若狭工場では、パナソニックのグループ会社が是正指導や裁判に訴えられるなど社会的批判が強まるたびに、偽装請負~派遣~請負へと意図的に契約を変更して直接雇用義務を回避していました。このような実態を明らかにできたのは労働組合に入り、労働局申告、団体交渉、裁判とたたかいを進めてきたからです。

そもそも法律がおかしい

 裁判では、パナソニックの直接雇用者としての実態を証明する内部資料が豊富にあり、私もパナソニックの従業員として誇りを持ち働いてきた実績がありますから、自信をもって正社員であることを主張してきました。

 福井地裁判決は雇用関係の成立を認めない不当判決でしたが、ほとんどの証拠が無視され事実を誤認しているなど、裁判官のいい加減な姿勢を大いに批判しなければならない内容でした。

 また、「労働者派遣法は派遣労働者に何らかの権限・権利を認めていない」「派遣先は直接雇用を申し込むか否か、労働条件に関しても自由に選択できる」と立法時の意思にも反した間違った判断をしました。

 私は、労働者派遣法が直接雇用の地位を特定していない理由は、労働者にこそ選択権の自由を与え、個別の要望に応えるためだと考えていました。

 しかし、裁判官は、違法している側に自由をあたえ、違法で不利益を受けた労働者に権利はないと解釈したのです。

 こんなおかしな解釈を許してしまう労働者派遣法は労働者の保護規定を明文化し、労働者保護法に抜本改正しなくてはいけません。さらに、労働法制を規制強化し違法企業への罰則を強化すべきです。

願いに逆行する民主党政権

 私たち国民が願うのは、不安定雇用から安定雇用へつながる法整備なのです。

 ですが、私たちの願いに逆行するのが民主党・野田内閣です。自公と三党合意し、派遣法改悪に舵を切りました。

 そもそも民主党案の「みなし雇用」も有期雇用の継続を容認するもので、現在でも派遣先に有期雇用で直接雇用された後に雇い止めされた事例は多く、安定雇用とはほど遠いものです。しかも、派遣労働というのは派遣先が派遣労働者の人間性や能力を把握して業務に必要であるから長期にわたり使用し続けるので、直接雇用後も不安定な有期雇用を押しつけることは職業安定法に違反するのではないか?という議論を無視しています。法の趣旨からいっても「みなし雇用」は原則・正社員が当たり前だと考えます。

 08年秋の「派遣切り」、数十万人もの労働者が一斉に雇用を失ったのは、製造業にまで派遣を拡大したからでした。

 臨時的・一時的な業務ではないにもかかわらず正社員が派遣に置き換えられてきた結果、若者の2人に1人が非正規になり社会に閉塞感をもたらしています。この反省が製造業派遣の禁止だったはずです。

 製造業派遣の禁止を削除したことは、社会問題となった「派遣切り」への反省がないということです。

 舵取りを間違った政府を選挙で倒すことができるのが民主主義の制度です。

 「派遣切り」への反省もなく、今後も若者に不安定雇用を押しつけるというのであれば、民主党政権を倒すためたたかいます。

画像

学習の友12月号

河本猛さん
パナソニック若狭工場・正規雇用裁判

 08年秋の「派遣切り」をきっかけに、「違法を告発すれば、みんなの雇用が守られるかもしれない」との思いで労働組合に入り、正社員化を求めるたたかいをはじめました。

 裁判闘争では、労働実態を訴え、「この無権利状態をこれから働く若者たちや未来を生きる子どもたちに残してはいけない」と、たたかいを労働法制の規制強化(労働者派遣法の抜本改正)につなげようと強調してきました。

 一審の福井地裁判決は、労働実態が違法であっても「労働者派遣法は派遣労働者に何ら権利・権限などを認めていない」無権利だと法解釈して、すべての請求を棄却する不当判決をくだしました。

 若者のほぼ2人に1人が非正規労働者である現在、無権利の労働者を社会に放置することはできません。

 裁判に勝利し、そして、労働者派遣法は「違法のやり得を許さず、安定雇用へつながる」労働者保護法に抜本改正させるべく、これからもたたかいます。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 5

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

先に大企業増税やってみろ!
2012年01月22日 23:41
「消費税10%でも、さらに増税必要」岡田氏語る
1月22日(日) 18時21分
 岡田克也副総理は22日のフジテレビの報道番組で、消費増税と社会保障の一体改革について「(年金制度の抜本改革のために)必要な財源は、今回の10%には入っていない。さらなる増税は当然必要になる」と発言。2015年10月に消費税が10%になっても、社会保障の充実には新たな増税が必要との認識を示した。
朝日新聞
(°□°;)
2012年01月24日 07:51
九電玄海原発、試験片を廃棄か 原子炉劣化の目安
1月24日(火) 2時10分
 九州電力玄海原発1号機の老朽化をめぐり、経済産業省原子力安全・保安院は23日、専門家が審議する意見聴取会を東京都内で開いた。九電の担当者は「原子炉の健全性に問題はない」と説明したが、専門家からデータ不足や分析手法の甘さを指摘する声が続出。原子炉から取り出した試験片の一部を九電が保管しておらず、廃棄した可能性があることも明らかになった。
朝日新聞
(°□°;)
2012年01月25日 12:29
原発事故対応、議事録なし 政府対策本部、認識後も放置
1月25日(水) 3時09分
 枝野幸男経済産業相は24日、東京電力福島第一原発事故後につくられた政府の原子力災害対策本部が、これまでの議論を議事録として残していなかったことを明らかにした。経産省は事故後の混乱で手が回らなかったとしているが、事故対応を決める重要会議で何が話し合われたか検証できなくなるおそれがある。
朝日新聞
原発なくせ
2012年01月28日 06:15
「脱原発テント」に撤去期限 市民団体側は反発
1月28日(土) 0時58分
 東京・霞が関の経済産業省の玄関脇で、「脱原発」を掲げる市民団体が設置しているテントについて、経産省は27日午後5時までの撤去を命じていたが、この日は具体的な行動は起こさず、静観を続けた。一方、撤去命令に団体側は反発を強め、命令に応じる構えはみせていない。
朝日新聞
原発なくせ
2012年01月31日 05:50
原発偽装請負、元請けの刑事責任追及へ 福岡県警など
1月31日(火) 2時24分
 関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)での偽装請負事件で福岡、福井両県警は、元請けの太平電業(本社・東京)について法人としての刑事責任を問う方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。
朝日新聞
原発なくせ
2012年02月02日 14:02
もんじゅ事故絡む自殺職員訴訟 遺族側の敗訴確定
2月1日(水) 23時11分
 1995年に高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で起きたナトリウム漏れ事故をめぐり、内部調査を担当して自殺した男性の遺族が損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第三小法廷(寺田逸郎裁判長)は、遺族の上告を退ける決定をした。1月31日付。遺族の請求を棄却した一、二審判決が確定した。
朝日新聞
(°□°;)
2012年02月02日 21:14
凍結で原発水漏れ、作業ミスが原因 東電、保温材巻かず
2月2日(木) 19時52分
 東京電力福島第一原発で配管の凍結による水漏れが相次いだのは、保温材を巻かずに配管の水の流れを止めた作業ミスが一因とわかった。東京電力が2日、明らかにした。
朝日新聞
原発いらん
2012年02月03日 09:24
下請け企業、工藤会に1億円 関電原発の偽装請負事件
2月3日(金) 3時04分
 関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)をめぐる偽装請負事件で、逮捕された指定暴力団工藤会系組長の妻が役員を務める派遣元企業から、売上金のうち1億円以上が工藤会側に流れていた疑いが強いことが福岡、福井両県警の捜査で分かった。小倉区検は2日、この妻を含む3容疑者と元請け企業の太平電業を職業安定法違反などの罪で略式起訴し、同法違反容疑での捜査を終結した。
朝日新聞

この記事へのトラックバック