派遣法とパナソニック若狭事件について

派遣法では、一般事務や営業といった職種の場合、派遣労働者の派遣期間は、最長3年までになっています。そして、この3年を終了した後、正社員になりたいと望む人も多いと思います。

派遣法では、派遣期間を終了した後に正社員になりたいと望む派遣労働者の希望を、出来るだけかなえてあげるような配慮を、派遣先の会社にも求めています。

<派遣法:派遣先企業の雇用努力義務>
(派遣期間に制限がある業務:一般事務など)
同じ仕事で、1年以上最長3年の間、派遣労働者を使用している場合で、かつ、派遣期間終了後、その仕事で新たな労働者(直接雇用)を雇い入れようとする場合、派遣先企業は、派遣労働者を優先的に雇い入れるよう努めなければなりません。

<派遣法:派遣先企業の雇用申込み義務>
(派遣期間に制限がある業務:一般事務など)
すでに派遣期間(1年~3年)を超えて派遣労働者を使用しており、かつ、派遣労働者が直接雇用を希望している場合には、派遣先企業は、派遣労働者に直接雇用の申し込みをしなければなりません。

(26業務)
同一の業務に同一の派遣労働者を3年を越えて使用していて、その同一業務に新たな労働者(直接雇用)を雇い入れようとする場合、派遣先企業は、派遣労働者に対して優先的に直接雇用の申し込みをしなければなりません。

雇用申込み義務に違反した派遣先には厚生労働省からの指導・助言がいきます。

ここでいう「直接雇用」とは、派遣先企業に直接雇用されるということで、直接雇用は、正社員、契約社員・パート・アルバイトの事を指しています。

<パナソニック若狭、正規雇用裁判>
パナソニック若狭は、派遣法にある直接雇用義務を逃れるために偽装請負→派遣→請負と脱法行為をくり返して実質は期間の定めのない雇用契約と変わらない状態で派遣労働者を使用してきました。

原告の河本猛さんも4年間パナソニック若狭の正社員から指揮命令を受けて働いています。

2008年の10月。河本さんは、「他工場からパナソニック正社員を受け入れるために派遣は0にする」との理由で削減通告されたことから労働局に派遣法違反や偽装請負を申告します。

労働局は、偽装請負を通算して「派遣実施期間」3年を超えているから適切な雇用状態にするよう是正指導を行いました。

パナソニック若狭は、派遣法にある「直接雇用」の指す地位があいまいな事を最大限に悪用して、今までの月給が半分以下になる時給810円・アルバイトでの直接雇用を派遣労働者に申し込みました。

河本さんは、労働の実績とパナソニック若狭が直接雇用の申し入れを行った経緯をふまえて、正社員での直接雇用を希望したために労使紛争となり裁判となっています。

さらに裁判提訴後は、就労を拒否され解雇の状態です。

河本さんは、派遣労働者とされた時でも実質は期間の定めのない雇用契約と変わらない状態であったことや時給は1200円あったのですから、パナソニック若狭が提示した条件は、河本さんが労働局申告を行った事への報復行為とも言えます。

また、解雇も合理的な理由がなければ不当解雇として無効です。

直接雇用を逃れるために偽装をくり返した事が発覚したからといって、さらに不当な雇用条件や報復をくり返すのはとても悪質な行為です。

そもそも派遣法を違法・脱法の手段とせずに、適切な運用を行うのが社会秩序のある健全な企業というものです。

現行の派遣法は、企業の善意により成り立つ部分が大きく、企業が法を悪用する事はほとんど考えずに作られたと言えます。

パナソニック若狭事件は、企業の善意により成り立つ部分を最大限に悪用して、労働者に不利益をもたらした事例です。

司法判断に求められるのは、「雇用の安定を図る」派遣法の精神を考えれば、労働実態により雇い止めを認めなかった「東芝柳町工場事件」(最高裁第一小法廷 昭45(オ)1175号 昭49・7・22判決)のように、労働実態や直接雇用の申し入れにいたった経緯を総合的に考慮して、最も適した雇用条件の判断をする事です。

今後、裁判所がどのような救済処置を行うのか非常に注目されます。

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この記事へのコメント

行家
2010年01月28日 00:33
同じパナソニックでの事例です。

昨年パナソニック電工四日市工場で5年8ヶ月も派遣され一方的に派遣され今回労働審判する事になりました。

1月29日に津地裁にて2回目の審判があります!

派遣会社はABMで、派遣法に違反する事前面接もしていてパナソニック電工とABMは非を一向に認めようとしません!

今回の審判で大体方向性が見えてきます!勝利に向かって運動を広げていくしかないです。

1月29日津市地裁にて10時から激励行動行います!是非とも参加ご支援よろしくお願いします。
支援する会
2010年01月28日 16:14
コメントありがとうございます。

同じパナソニックの事例ですので、原告・支援者ともに交流を深めながら頑張っていきましょう!

四日市の事例を見れば、雇い止め・解雇は明らかに無効です。必ず勝利して職場復帰したいですね。
若狭の河本さんも「工場で4年働いてきたから仕事をする事に自信があるし、自分はまだまだパナソニックに貢献できるのだから工場に戻って働かせて欲しい」と言っています。

私たちもパナソニック電工四日市工場の審判を勝利する事で全国の労働者を励ましたいです。

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